2016年5月2日月曜日

FUJIFILM FinePix F31fd



FUJIFILM新ロゴになって間もない頃のデジタルカメラ FinePix F31fdです。
この機種は名機を通り越して神機と呼ばれているらしく、ジャンクですら現在でもオークション等で値が付くみたいです。名機扱いの理由は様々ですが、まとめてみると「最後の600万画素機で高性能」「日中屋外など明るさが十分な場所での高解像感」「当時のデジタルカメラとしては抜群の暗所撮影能力」などがあるみたいです。F30から続投したやたら大きくてかなり長持ちなバッテリーも要因の1つではないのでしょうか。高解像感についてはノイズリダクションにより塗りつぶしで塗り絵画質、カラーに付いては嘘っぽいと完全に持て囃されているわけではなさそうです。

購入価格はキタムラジャンクで500円
幾ら名機でも年代的に実店舗ではまともに取り扱わないみたいです。ちなみにジャンクで見かけたとしても何故か高確率でレンズが飛び出ている個体が多く、そのまま箱で漁繰り回されてしまいには鏡筒が曲がってしまっています。それでも購入されるのはさすが有名機種といったところでしょうか。
デザインは前機のFinePix F30を引き継ぎながらもグリップ部などが変化しています。F30のグリップはかなり細長い形状だったので場合によっては掴みづらい事もありましたが、このF31fdはしっかりと広いグリップとなったので掴みやすくなりました。コンパクトデジタルカメラとしてのデザインは既に完成しています。



こうやって見るとかっこいい?
SUPER CCDのロゴはSUPER CCDハニカム初期の製品では光輝くエンブレムだったのですが、この世代ではプリントになってしまいました。EXRで再びエンブレムに戻りますが。
 
 

背面のデザインはF30とあまり変わっていませんが、液晶モニター下部のロゴが新ロゴになっています。fd型番が付いて顔認識機能が追加されたことにより顔認識ボタンも追加されました(右下)
ズームボタンは変わらずのシーソータイプで独立したタクトスイッチを押すタイプとなっています。基本的な操作は最近のFシリーズと比べてもあまり違いがありません。液晶モニターは面積が大きくて高精細ですが、カバーのない剥き出しタイプなので扱いに注意が必要です。この剥き出しタイプは不評だったのかさらに後期のデジタルカメラではカバーが付いたものが増えました。
UIは2000年代中期のFinePixシリーズに広く使われていたもので、機能が近年のデジタルカメラに比べて少ない代わりに露出補正がワンタッチだったりと便利な点もあります。ズームボタンがシーソー式なのも当時のファインピクスシリーズでは多いものでした。液晶モニターで表示しているFinePixカラーという項目は当時のファインピクスで搭載されていたカラーモードでスタンダードのSTD、クッキリコントラストが高めになるF クロームなどといったモードがあります。
 
 

FinePix F31fd  
本体上部にはもほや定番な電源ボタン、モードダイヤル、シャッターボタンという配置です。電源ボタンとシャッターボタンはかなり離れているのでまず押し間違えません。
クラス的にフルマニュアル撮影には対応しませんが一応マニュアル撮影モードがあり、絞り値は指定することが出来ます。一応作画・作品派も満足できるのではないのでしょうか。
本体の厚みは最近のデジタルカメラと比べると結構厚いですが、このくらいの厚さの方がかえってホールド感が良かったりするのです。なお、このF31fdには劣化してくるとシャッターボタンが非常に緩くなってくるという持病があるらしく押し心地が悪くなったり、半押しが難しくなってきたりするようです。幸いこの個体ではそのような症状はありませんが。前機種のF30では見られない持病だそうで不思議なものです。
 
 
底面は綺麗にまとめられていますが、大きなバッテリー故か三脚穴が追いやられています。 

xD xD Picture Card  
DIGITAL CAMERA FinePix F31fd
FUJIFILM Corporation   MADE IN CHINA
xDピクチャーカードが栄えていた時代のデジタルカメラだけあってxDピクチャーカード機なのでSDカードやCFと比べるとメディアの取り扱いは面倒です。このF31fd後のFシリーズなどのフジフイルムのデジタルカメラはxDピクチャーカードを諦めたのかSDカードとのデュアルスロットとなっていきました。オリンパスについてはデジタルμシリーズやμ ToughシリーズではマイクロSDカードが使える専用変換アダプターを付属させながらも結局メインスロットはxDピクチャーカードという諦めの悪さだったのでコケてしまった感があります。富士フイルムについてはスマートメディアから切替の際にxDを採用(というより自社開発)してしまった時点で後にマイナスになってしまったもののいち早くSDカードとのデュアルスロットに移行したので被害は最小限で済んだようです。暫定的なSDカードとxDピクチャーカードのデュアルスロットはFシリーズの場合はF200EXRまで続いたので結構長い間デュアルスロットが使われていたことになります。




外部電源端子は非常に汎用性のあるDC 5Vのタイプです。ストラップ穴はかなり大きいので結構簡単にストラップが付けれます。
本体充電タイプなので汎用性の高い5V DCを入力できれば充電器は不要です。本体充電故に大容量のバッテリーを充電するには若干時間が掛かるみたいですが、とにかくスタミナがあってタフなバッテリーなので一回充電すれば長い間使えるかと思われますので長い充電時間はそんなに気にならないかもしれません。



FUJINON ZOOM LENS 
 3x f = 8 - 24mm   1:2.8-5.0

無印FUJINONであり、明るさもそこまで明るくはないのですがあれだけの高解像度感のある画像が取れるということで決して安物のレンズではないのでしょう。年代的に仕方のないことなのですが、AFやズームといった動作音が結構大きいです。AFが内部でかなり大きめなガラガラという音が鳴ります。
このレンズユニットはFinePix F30でも同じものが使われていましたが採用機種はF810からこのF31fdの後継機であるF40fd等のF100fdまでのF2ケタシリーズ、コンパクト機の中では高級?なE3ケタシリーズなどで採用され続けたユニットなので優秀なフジノンレンズなのだと思います。意外な事に光彩絞りなので高級機に採用されるポテンシャルも十分なのでしょう。フルマニュアル撮影というわけにはいきませんが絞り値は指定できるのである程度のマニュアル撮影も可能となっています。
630万画素 スーパーCCDハニカムHR VI 1/1.7型というセンサーを搭載しており、画像処理エンジンはリアルフォトエンジンIIというものが搭載されているのです。フラッシュ制御機能であるiフラッシュも搭載されているのでフラッシュを発光した際の写りも綺麗です。このiフラッシュは後にスーパーiフラッシュとなって進化していきます。



バッテリー及びメディアスロット
バッテリーが巨大なので本体サイズの半分以上を占めています。サイバーショット Sシリーズのように明確にスタミナを謳ったシリーズではないのによくこんなに大きなバッテリーを搭載できたものです。おかげでちょっと保管したくらいではヘタれないタフで大容量なバッテリー性能を手に入れたわけですが。後にミラーレスとも言われたレンズユニット交換型カメラRICOH GXRでも採用されるバッテリーなわけで随分と強力な電池であったことが分かります。



本当はFUJIFILM NP-95という電池を使用するのですが、RICOH DB-90という電池と形状が同じなのでこちらの電池も使えました。このRICOH DB-90という電池はRICOH GXRというレンズユニット交換型デジタルカメラという機種に使用するものであり、結構そのカメラは大きいのですが、その大きなカメラの電池と同じ電池ということで長持ちするのも納得できます。容量はコンパクトデジタルカメラのリチウムイオン電池としては非常に大きな1700mAhです。


実際に使ってみると、自慢の暗所撮影能力はさすがに裏面照射CMOSな機種に負けますが、結構粘るので実用範囲です。日中屋外での風景撮影では評判のカラーも楽しめ、ダイナミックレンジもかなり広めでした。当時は塗り絵と言われてしまった解像度も現在のコンパクト機の水準で見ると随分解像しているような。


FUJIFILM FinePix F31fd

メーカーFUJIFILM
FUJIFILM Corporation
原産国MADE IN CHINA
発売2006/11/18
メディアxD PictureCard/内蔵メモリ 26MB
センサー630万画素 スーパーCCDハニカムHR VI 1/1.7型 原色フィルター
レンズブランドFUJINON ZOOM LENS
レンズ構成不明
画像エンジンリアルフォトエンジンII
手ブレ補正なし
光学ズーム3倍
電池NP-95
ファインダー光学ファインダーなし
バージョンバージョンアップなし
価格オープン 
その他新搭載 顔キレイナビ、iフラッシュ

ISOAUTO、100-3200
F値F:2.8(W)-F:5.0(W)
圧縮率FINE / NORMAL
動画AVI 、Motion JPEG
MFなし
GPSなし
タッチパネルなし
容量上限2GB
カラーモードノーマル、Fクローム、モノクロ
ストロボ内蔵 (iフラッシュ機能)
ドライブ動画、静止画、連写


価格 : 500円
故障 : センサーダスト → 清掃

撮影してみた→撮影画像 FUJIFILM FinePix F31fd

 (追記) 2015/04/04  CCDにゴミが付いていたので清掃分解しました。





 
液晶モニター側のカバーにも液晶モニターと操作パネルのフレキシブルケーブルが伸びているので外装を外す際に勢い余って引きちぎってしまわないように注意。
どちらのフレキの固定もツメのようなもので抑えているタイプなのでツメを上にあげると外せます。


  
フラッシュチャージして左側の黒いシートを外した状態で基盤左側を触ると感電コースなので注意です。外装が中々嵌らず5回感電することに…

中央のフレキがCCDのフレキなのでここを壊すとCCD不良のあの画になってしまう危険性があります。フレキを切ったらご愁傷さまですというのはどこも変わらないのですが。大きなチップがリアルフォトエンジンなど画像処理系でしょう。


  
メイン基盤の裏側
xDピクチャーカードスロットやフラッシュ用のコンデンサが見えます。
左上はバッテリー端子、中央の穴はCCDフレキの通し穴です。


  
メイン基盤を取るとレンズユニットとご対面となります。右の部分は電池ボックスですが電池が非常に大きいのでボックスも半分近くを占めています。


  
これがスーパーCCDハニカムです。目視できるけれどもよく見なければ分からないようなサイズのホコリが少し付いていました。ブロアーでシュポシュポしてもとに戻して終了。

このレンズユニットからホコリは侵入してくるのでこちらもホコリを飛ばしておきます。
レンズユニットの交換には四隅のネジを外します。 

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