2016年9月14日水曜日

Canon EOS Kiss Digital ボディ (初代) DS6041

 
キヤノンとしては初の普及型デジタル一眼レフボディとして他社や業界にインパクトを与えたらしいCanon EOS KISS Digitalです。元々EOS Kissというシリーズはフィルム一眼レフの普及型シリーズの名称ですが、エントリーデジタル一眼レフが発売される際にそのまま名称がつかわれました。これは同社のコンパクトデジカメのIXY DIGITALと同じ感じです(IXYは元はコンパクトAPSカメラの名称) 。同時期の上位機種はEOS 10DとKissシリーズではない上に従来のデジタル一眼レフと名称形式が同じで販売価格が20万円前後とかなり高価です。

購入価格は某所で500円
カメラ店でもチェック済みの物が5000円以下で売られていますし、もはやある程度の値しか付かない年代の機種なのでしょう。それに加えてゴムラバーグリップのベトベトという持病があるので、それまで発症すると問答無用でジャンク籠送りにされてしまいます。同年代のデジタル一眼レフボディは年式故にジャンク送りにされることも多いのですが、他社と比べてやはりキヤノンが多く出回ったのか見掛けるデジタル一眼レフボディジャンクはほとんどがKissシリーズな気がします。



デザインはまさにデジタル一眼レフというゴツゴツっぽい雰囲気ながらもある程度エントリー機らしく丸っぽいというもので良いです。比較的初期のデジタル一眼レフということでやはり大きくて重いですが、これに関してはコンデジでも同じなので問題なしです。
フィルムのEOS Kissシリーズ及びEOS Kiss Xくらいまでの世代のこのシリーズにはEOSロゴとは別にKissロゴのエンブレムが別付で配置されていましたが、いつの間にかにEOSロゴとまとめて印字になりました。液晶モニターが大きくなったり、軽量・小型化されたりと時代共に性能も向上していますがデジタル一眼レフだけあって基本的なデザインは後継機でもそんなに変わっていません。
この個体も見事にグリップのベトベトが出ていたのでクリーナーで剥いだため、グリップがプラスチックむき出しでテカテカしていますが使用上はまったく問題なしです。



背面
まだ液晶モニターによるライブビューが使えない世代のデジタル一眼レフなので、情報表示用のサブ液晶モニターがあります。でもなんでメインカラー液晶モニターの上なんでしょうか。メイン液晶モニターは全く情報が表示されないというわけではないものの、基本的に撮影中は消灯する前提なので一時的に撮影情報を表示するくらいしか使い道はありません。再生時や設定時は他のデジタルカメラと同じくビューや設定が行えるのですが。
UIは基本的に当時のキヤノンデジカメと同じ系統のものですが、一眼レフだけあって設定できる項目はかなり多いです。MENUにある設定項目はほとんどが撮影にかかわってこない設定でISOや露出補正、ホワイトバランスなどの設定は専用ボタンにより行います。撮影時には消灯している液晶モニターですが、サブのモノクロ液晶モニターは常に表示しており、それを見ながら設定する形式でイルミネーションまで搭載なので状態確認には困らないものとなっています。

メインの液晶モニターは1.8型 11.8万画素カラーTFT液晶と観賞にも少し厳しいスペックかもしれませんが時代を考えるとこんなものです。デジタル一眼レフまで購入する層はさすがにコンパクトデジカメのようにデジカメ内のメモリーに撮りだめてカメラ本体のみで観賞という使い方はしなさそうなので、あくまで撮影後の構図確認などが出来れば十分だったのでしょう。



天面・軍艦部
一眼レフなモードダイヤルとそれにくっ付いた電源スイッチ、連写やセルフタイマーのボタンに設定用のダイヤルとシャッターボタンがあります。ポップアップ式のフラッシュの手前にはホットシューがあるという王道のデザインです。ホットシューはミノルタ系のように完全に自社インターフェイスのものしか使用できないというものではなく汎用品が使えながらも自社オリジナルも使うといったものです。
スタンダードクラスから枝分かれしてまだそんなに経っていないというデザインだけあって軍艦部もゴツくてカッコイイです。後のEOS Kissシリーズは更にとっつきやすいデザインでファミリー層を取り込むためか丸っぽいデザインになっていくので。



マウントはキヤノン EOS EFマウントでEF-Sレンズにも対応となっています。焦点距離の延長という制限がありますがフィルム時代のEFレンズ群も使用可能です。ペンタックス Kマウント程ではないもののミノルタAマウントなどと同じくらいには成熟していてそんなに不具合も出ないマウントなのでフィルム時代のレンズも写りや焦点距離などを気にしなければ結構使えます。ただし、古いシグマ製レンズではROMの関係上Err 99が出て動作停止になってしまう事が結構あるそうなので注意です。

イメージセンサーは上位機種なEOS 10Dと変わらないと思われる約650万画素 APS-C CMOSセンサーが使われています。このCMOSセンサーはキヤノンによる自社設計とは謳われていたみたいですが、製造まで自社なのかは分かりません。サイズはデジタル一眼レフということで大きく、画素数が少な目で画素ピッチが大きいということで綺麗な画が撮れるとのことですが。
画像処理エンジンはDIGICとなっています。初代のDIGICですが同エンジン搭載のキヤノンPowerShotシリーズやIXY DIGITALシリーズを使ってみた限りコッテリ系の発色ながらも綺麗に撮れる機種が多かったので良い画像処理エンジンなのでしょう。



標準ズームレンズ Canon EF-S 18-55mm 1:3.5-5.6 ISを付けてみたところ
全面ブラックカラーとなっていてカッコイイのではないのでしょうか。

付いているこのEF-Sレンズはデジタル用で使いやすい焦点距離、手振れ補正付きで画質がそれなりに良いながらも日本製とスペックや使い勝手ではかなりのレンズなのですが、内部構造故に普通に使っていてもそのうちフレキが切れて手振れ補正とAFが使えなくなるという持病があるようです。具体的な原因というのははズームによるフレキシブルケーブルの移動が折り曲がるような軌道なのでそのうち疲労断線してしまう事により動作しなくなるためとのこと。MFはレンズのモーターを使用しない方式で、絞りやシャッターについてはボディ側が制御するためフレキが切れてもMFは使えるのでしょうか。



Canon DS6041
CANON INC.  MADE IN JAPAN

底面と銘柄表示
キヤノンのデジカメなどに見られる銘柄の謎型番はデジタル一眼レフでも同じようにありました。型番的にはEOS Kiss DigitalではなくDS6041となるのでしょうか。
エントリー機といっても実売価格10万円オーバー時代のデジタル一眼レフなので原産国は日本となっています。現代のデジタル一眼レフは安くなったのと方向転換な為かKissシリーズだとほとんど台湾製に移行しているみたいです。ミラーレスのEOS Mシリーズは価格が高めなためかMADE IN JAPANとなっていましたが。
一眼レフなので三脚穴は光軸中央に配置されていて金属製です。



電池はリチウムイオン電池パック Canon BP-511系を使用します。この電池パックは同形状で異なる型番が混在しているようですが形状が同じならば使えるようです。デジタル一眼レフを駆動させるだけあって電圧は2セルな7.4V、容量も1100mAhと余裕のある仕様となっています。同形状の電池はPowerShot GシリーズやPROシリーズ、上位のEOSデジタル一眼レフシリーズなどハイエンドデジカメにも使われていたようなので以外と入手性は良いようです。

当時のキヤノンデジカメの特徴であるコイン電池による設定保持にも対応しており、設定保持用の電池が切れたら自分で購入して交換することが可能な便利な仕様になっています。使用電池もコイン電池のCR2016と100円均一ショップでも簡単に購入可能な汎用性のある物というのもありがたいです。



記録メディアは一般的なデジタル一眼レフと同じコンパクトフラッシュを使用します。当時2004年のコンパクトフラッシュ事情は大容量・低価格を誇っていたマイクロドライブがコンパクトフラッシュの進化により陰りが見られ始めた頃なので、超大容量が必要な場合以外はコンパクトフラッシュが用いられていたとか。そのマイクロドライブによる大容量というのもコンパクトフラッシュによって並ばれるどころか数十倍以上と大きく抜かれてしまっているのも技術の進化によるものなのです。

Canon EOS Kiss Digital
メーカーCanon
CANON INC.
原産国MADE IN JAPAN
発売2003/09/20
メディアコンパクトフラッシュ
センサー650万画素  APS-Cサイズ CMOS
レンズブランドキヤノンEFマウント EF-S対応
レンズ構成
画像エンジンDIGIC
手ブレ補正レンズ依存
光学ズーム
電池BP-511/BP-512
モニター1.8インチ 11.8万ドット TFTカラー /モノクロ液晶モニター  
ファインダーペンタダハミラー 0.8倍
バージョンV1.10
ボディ外装プラスチック
価格オープン
その他デジタル一眼レフ。



価格:500円
状態:故障なし 



2 件のコメント:

  1. 嗚呼、なんということでしょう。。。数日前にこの記事を読ませていただいていたら。。。SIGMA UC ZOOM愛ゆえ、買ってしまったのですが(朱里業者さんの出品でしたので安心感から一葉女史を一葉。。。)開放以外Err99です。Nikon用のがそろったので支障はないのですが、EF純正レンズには興味がないので、コンディションの良い使える、しかも互換電池2個と充電器。。。銭はなくとも使わぬカメラがある。。。困ったもんです。

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    1. ありがとうございます。
      このキスデジを買ったのは2-3年程前だったと記憶していますが、この辺りがデジカメジャンクの最後のチャンスだったのか現在では故障品ですらジャンクデジカメを店頭では見かけませんね。
      Err99はその他のエラーなのでレンズが悪いのか、本体の絞りユニットが悪いのか不明で厄介です。修理する気があってもメーカーでは出来ませんし。
      ジャンクキスデジは最近安いEF-S標準レンズが1000円以下で売られていることも増えてきたのでエコノミーでそれなりには使えるのかなという感じです。

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