2014年12月3日水曜日

YAMAHA CDプレーヤー CD-M77 NATURAL SOUND


YAMAHAブランドのシステムコンポの一部っぽいCDプレーヤーです。CDデッキなのですが、サイズがシステムコンポ並みとコンパクトです。

YAMAHA NATURAL SOUND  COMPACT DISC PLAYER CD-M77
この型番で検索してもなぜか情報がほとんど出てこず、出てくるのはオークションなどのサイトばかりという状態で詳しい仕様などが分かりません。天板以外はプラスチックボディーでインシュレーターが貧弱、ヘッドホン出力調整不可という物でかなりのエントリーモデルというのは予想が付くのですが。
 
トレー出ずのコメント付きで540円でした。
ヤマハのCDプレーヤーはトレー駆動用だけではなくピックアップ駆動用ゴムベルトまで劣化して伸びるを通り越してベトベトに溶けてしまう(加水分解)のでタチが悪いです。ただ溶けているだけならば手にくっ付いてイライラするだけで済みますが駆動モーターの軸に入り込んでしまうともうどうしようもありません。このCDプレーヤーも例によってゴムベルトはほぼ原形をとどめていない程に溶けてしまっていました。ちなみにこの溶けたゴムは手に付くと指紋の溝にビッシリと付いてしまい、エタノールなどで拭かない限りいつまでも付いているという嫌なヤツです。
トレー開かない系のジャンクは読み込みはほぼ未チェックの物がほとんどなので、ピックアップについてはほとんど賭け状態です。

エントリークラス機らしく操作ボタンは上級機にくらべて少な目です。ダイレクト選曲ボタンが無かったり、ヘッドホン出力調整が出来なかったりとエントリーの王道を行っています。

Original Music Processing LSI    Double Resolution Digital Filter

ディスクトレーにこれらの能書きがあることからヤマハ独自のプロセッサーLSIとデジタルフィルターをうりにしているみたいです。リモコンの受信部があるのでリモコンに対応しているのだと思いますがリモコンは見当たりませんでした。



 
  


比較的初期な80年代のCDプレーヤーなのでやたらDIGITALなどの文字が強調されています。それだけ当時のCDの登場は衝撃的だったらしく、スピーカーからヘッドホン、アンプなど数多くの製品にDIGITAL対応版、DIGITALを謳ったものが誕生しました。

Optimum Controlled  Music Access System  DIGITAL

ダイレクト選曲キーやミュージックカレンダーは搭載しておらず、プログラム再生やリピート再生には対応しています。ディスプレイの表示もトラックナンバー、タイム、再生状態くらいと少な目です。




プレーヤー背面はエントリークラスのモデルというだけあって中々寂しげです。ちなみに天板は側面にネジがなく、ここで見えている3つのネジのみで留められています。

電源端子の上部には排熱窓も見えますが、この機器はそこまで物流投入されているわけでもないので思ったより発熱しません。





YAMAHA  MODEL NO. CD-M77

NSKK
100V   10W   50/60Hz
日本楽器製造株式会社

80年代の製品なのでまだ社名がヤマハ株式会社ではなく日本楽器製造株式会社となっています。フロントパネル側のYAMAHAロゴにはない音叉マーク 標準型がこちら側にはあるのがポイントです。ヤマハ株式会社となったのは創立100周年な1987年なのでそれ以前の製造となります。

電源ケーブル端子は特殊に見えますが普通のメガネ型ケーブルが使用できました。シリアルナンバーが表記されているシールは劣化しているのか色が変になっています。
消費電力は10WとCDプレーヤーでは省電力んの方に入ります。乙種電気用品マークの横にあるNSKKは製造元の略称なのでしょうが、意味が分かりません。



ラインアウト端子は赤白のピン端子(RCA端子)のみとこれまたエントリーっぽい仕様となっています。
ラインアウト横にある危なっかしそうなマークは「感電する恐れがあるので開けるな」という英文の横に付いている警告マークとなります。
「RISK OF ELECTRIC SHOCK DO NOT OPEN」
 




底面は特に制震機構がある訳でもなく、インシュレーターもインシュレーターというよりはゴム足という感じの簡易なものです。
特に対策がないため天面と共に底面も叩くとよくなるのは仕方がありません。金属製であるだけかなりマシな方だとは思うのですが。




トレーはベトつくゴムに苦戦しながら交換すると元気よく出てきました。運よく溶けたゴムによりモー^ターがお亡くなりという事態にはならなかったみたいです。

特に変わっているところはありません。



スタビライザーを支えている2つの部品の1つが折れて完全に取れており、スタビライザーが機能しない状態になっていました。しょうがないのでゴム系ボンドで接着しています。
強度的にはどうかと思いますが、誰かに売ったり譲渡したりするわけでもないので取れなければ自己満足で十分です。
ちなみにもう片方の同様の部分は無事でした。なぜ片方のみが取れてしまったのかは謎ですが強い衝撃でも加わったのでしょうか。



使用されているピックアップは型番がよく分からない 78 2 7 52063というシールが貼られているものになります。もう片方にもシールが貼られていますが、どちらがピックアップ型番かは不明です。

ピックアップ基盤を見るとコンデンサーや抵抗等の部品が結構乗っているころが分かります。



これがトレーに書かれていたご自慢のデジタルフィルター?
横に載っているSONY CXK5816M-15Lはプログラム再生用っぽいSRAMということが分かりましたが、メインっぽいYAMAHA YM3617が何なのか分かりません。

YM3617の横にはDACであるBB PCM56Pが見えますが1個しかないのでL R信号のどちらも受け持っているのでしょう。少し上のクラスならばそれぞれの信号に1個づつDACが付いているのですがエントリークラスなので併用は仕方がありません。

ここの回路(TP-N17H-T)にはすべてルビコン製の電解コンデンサーが使用されています。水色で四角マークが付いているという特徴があるものとなっています。



回路全体を見渡してみると、やはりルビコンの水色コンデンサーが目立ちます。それに加えて紺色で三松葉が付いている松下電器製のコンデンサーや三菱のチップなどが見えます。基盤は紙エポキシでしょうか。



電源トランスは大きめのが載っている?
別巻きでもアナログ、デジタル別でもないですがメイン基盤からは完全に分離されているのである程度のノイズは遮断できていると思われます。



東芝傘マークが付いているTOSHIBA TC4053BPです。
考えるとオペアンプっぽいですが情報がないので確実ではありません。下部に見えているのは他のと同じくルビコンのコンデンサーです。



フロントパネルの裏な操作・VFD部です。
VFDの下にはOKI L915が2つ付いています。操作ボタンであるタクトスイッチは誤動作などの故障は特にありませんでした。

 
 
それで音質…といきたいところですが、外観画像撮影中になぜか突然原因不明の電源が入らないという状態になってしまい、動作チェック時以外でまともに聞いていないので分かりません。
直前まで普通に動いていたので分解時に誤ってショートなどでは無いと思うのですが。基盤を見てみても焼けている部分や噴いているコンデンサは見当たりません。松下のコンデンサーは割と地雷の分野に入るのですべて無事というのは意外です。
電源入らないということで部品を取ってドナドナとなりました…

 
検索してもほとんど情報の出ない謎めいたCDプレーヤーですが、ボディ内部に87年を示すマークがあったので87年製だと思います。樹脂のボディにはNITTO KOGYOの文字がありましたがボディは日東工業の製造だったのでしょうか。本体そのものがOEMというのはあまり無さそうなので。
 
 
価格 : 540円
故障 : 電源入らず
 

2 件のコメント:

  1. 新ブログ開設おめでとうございます。
    さて、この記事掲載の「TC4053BP」はオペアンプではなく、電子スイッチ(セレクタ)のICです。
    4053は3回路2接点のスイッチになっているようです。
    http://miharin.wktk.so/recharge/tmp/4053B.jpg

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    1. 早速ありがとうございます。

      画像には載ってませんが別にオペアンプっぽいのがあったりしたのでこれではないとは思っていたのですが、何なのか分かってスッキリしました。当時のCDプレーヤーで使われているオペアンプは大体がこのチップの半分程度の長さなので大きさ的にも異なっているので。
       
      オーディオ機器での東芝オペアンプは見かけませんが、東芝DACならば普通にあるみたいですね。

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