かつてJVC(日本ビクター)より販売されていたステレオインナーイヤーヘッドホン(イヤホン)です。パッケージが安っぽくない化粧箱ということから分かるように1000~2000円程度でどこでも売られているようなイヤホンではなく、実売価格1万円前後というそれなりの価格帯なイヤホンです。この価格帯は安いイヤホン使用者が音質向上を期待してよくこの価格帯のイヤホンに買い替えることから激戦区となっている模様。
購入は最近なので正当な後継シリーズであるHA-FXT100、HA-FXT200が登場したことからすっかり型落ちしてしまい、大体の場合どの店舗でも在庫処分状態なので新品未開封でも5000円と約半額で購入できました。例として店舗によりますが某K量販店が実店舗で6000円程でしょうか。
元は1万円クラスのイヤホンなので質は悪くないはず。
このイヤホンはパッケージにも大きく記載されていますが業界初のツインユニットを採用した機種であり、この2つのユニットにより厚みのあつ音を実現できるとしています。
Victor.JVC STEREO MINI HEADPHONES HA-FXT90
TWiN SYSTEM
CARBON NANOTUBE and CARBON
業界初 ツインシステムユニット によるスケール感あふれる迫力の低音域とクリアで豊かな中高音域再生
こちら面にはパッケージをアピールするためなのか、かなり簡易的ですがツインシステムユニットのイラストが載っています。
化粧箱裏面には業界初の技術なためか様々な解説・セールスポイントが記載されています。パッケージの半分以上がセールスポイントの記載ですが内容はホームページやカタログに記載されているものと同じです。当時はJVCビクターオーディオアクセサリーのカタログの表紙になっていた時期もありました。
Victor JVC ステレオミニヘッドホン
●業界初 ツインシステムユニットによりスケール感あふれる迫力の低音域とクリアで豊かな中高音域再生
●業界初、中高音域の再生特性に優れたカーボンナノチューブ振動板採用
●メタルハウジングにより不要な振動をおさえ、迫力あるクリアサウンドを再生
●1.2nY型コード+長さを調整できるコードキーパー付属
●コードからのタッチノイズをおさえるクリップ付属
●携帯に便利なキャリングケース付属
業界初 カーボンナノチューブ振動板(中高音域再生)
結晶構造がカーボンとは異なる高強度なカーボンナノチューブを採用。応答性に優れ、ひずみをおさえたクリアで伸びのあるサウンドを再現。
●不要な振動をおさえる比重の重い金属を採用したメタルユニットベース内に、低音域の再生特性に優れたカーボン振動板と中高音域の再生特性に優れたカーボンナノチューブ振動板を並列に配置し、ユニットを一体化。迫力の低音域とクリアで豊かな中高音域の再生を両立。
こんな感じで様々な事が書かれています。ツインシステムユニットというのが業界初として注目されがちですが、カーボンナノチューブ振動板採用というのも業界初のようです。カーボンナノチューブというのは炭素によるナノサイズ元素がチューブのように結びついた物質で軽くて丈夫、オーディオ的性質では応答性が高いということで先進素材としてテニスラケットなどに使われているものです。当時は先進的なもので同社のウッドドームスピーカーと共に注目されていましたが、現在では落ち着いたのか普通に様々な製品でカーボンナノチューブ振動板が使われています。
日本ビクター株式会社 MADE IN CHINA
形式:ダイナミック型 再生周波数:8Hz-25,000Hz インピーダンス:12Ω
出力電圧レベル:107dB/1mW 最大許容入力:150mW JD3075-000A
イヤホンの形式はBA型とDA型のデュアルというわけではないのでハイブリッド型とはなりません。普通にダイナミック型となっています。
補償書は他の製品と同じようにパッケージの穴に差し込まれていました。
イヤホン本体はツインシステムユニットと前面に出すためかスケルトンボディになっており、内部に独特なツインシステムユニットが見えます。画像では結構イヤホンの中では重そうに見えるかもしれませんが実際は極端に重たいということはありません。
ケーブルは一般的なイヤホンと同じで専用品なのでリケーブルには対応していません。リケーブルに対応したイヤホンはもう少し高価なWOODシリーズの一部製品があります。
ケーブルには絡み防止のスライダーが付いているので便利です。
イヤホン本体には大きなJVCロゴが刻印されています。
付属品一覧
イヤホン本体、補償書、イヤーピース、コードキーパー、クリップ、キャリングケース
キャリングケースはチャック付きの立派なものなので安心してイヤホンを入れておくことが出来ます。チャック式なので閉めておけば、まず中からイヤホンが飛びだすということはないでしょう。
コードキーパーはケーブルの長さを調整するだけではなく不快なタッチノイズを防ぐ効果もあるようです。クリップでコードからのタッチノイズを抑えることができます。
新品未開封ということでまだ耳も機器も慣れていない状態かと思いますが、最初に聞いた際の換装は確かに音に厚みがありながらも中高音の締まりが悪いように感じました。解像感は普通程度でしょうか。今まで使用していたオーディオテクニカのCKM500と比較すると価格帯の違いからか情報量が増加して音がクリアになった印象だったので大体は機器のグレードアップに成功できたのでしょう。ちなみにどちらも購入価格は同じです。
後継機であるHA-FXT200を試聴してみましたが、高音がクリアになっていて低音がスッキリしたと感じました。定価で買わない限り倍近い値段の差があるので財布と相談して好きな方を選べばよいのですが。HA-FXT100もFXT90のイマイチポイントをかなり改善しているので好感が持てました。
(追記)
再生250時間を超えて、大分耳も慣れて厚みのある音を楽しめています。イコライザで低音をブーストしたりしても結構追従してくれるので好みのサウンドを探れます。
性質上低音専門みたいなイヤホンではないですがある程度なら期待できるかと。装着感もイヤーピースをスパイラルドットに交換したらそんなに気にならなくなりました。
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