2016年3月30日水曜日

AGFAPHOTO DC-600uw 防水デジカメ

  
かつて販売されていたAGFAPHOTOブランドのデジタルカメラです。AGFAPHOTOというのはドイツ(とベルギー)のアルファ・ゲバルトという感材・写真用品のメーカーでしたが80年代には自社製造からカメラは撤退、その後カメラ関係は幹部社員が設立した関連会社に移管したものの倒産してしまった模様。ということでブランドが漂っていたのを安くデジタルカメラを作るメーカーかどこかが取得してAGFAPHOTOブランドとしてデジタルカメラを販売しているみたいです。富士フイルムや小西六(コニカ)、コダックのようにカメラを発売していましたがやはり自社のフイルムを売るための戦略として自社カメラの販売にたどり着くのでしょうか。
 
日本国内の総代理店はエグゼモードで他のエグゼモード商品と同じように販売されていましたが、オリジナル開発とされているexemode・YASHICAブランドと異なって代理店として販売・サポートをしていただけなので製造・開発はどこか違うメーカーが行っている模様。そのためかUIや仕様なども他のエグゼモードデジタルカメラとは一味違ったものとなっています。そしてAGFAPHOTOブランドは健在でもどこかのメーカーがどこかのOEMで発売している模様ですが1機種のみ発売したGeneral Imagingがどうなったなどといった事も含めて分かりません。
 
AGFAPHOTO  DC-600uw
10m/33ft Waterproof  

国内でのエグザモード型番は単にDC-600uwとなっていますが、本家AGFAPHOTOのサイトではAP DC-600uwとなっていました。どうやら海の写真を撮るには最高のパートナーで画質のバランスが良い600万画素としたとのことです。ですが(たぶん)AGFAPHOTO唯一の防水系デジタルカメラの為かレンズや画像処理などいった画質に関する謳い文句が記載されていません。国内販売元のエグゼモードでもノーコメントです。
 


液晶モニターが意外と大きくておもちゃらしくない風貌となっています。最もこの商品は他のトイデジタルカメラのようにおもちゃ前提で販売されていた機種ではないので当然なのですが。
多数使用されているビスにより防水系の雰囲気が漂いますがIP規格等による表示は無いので表面に記載されているメーカーの宣伝でしか防水能力は知れません。
シャッターボタンと同じように何故か水中モード/削除ボタンが赤色になっているのですがこれは水中で使えるということのアピールなのでしょうか。カーソルキーは水中での使用を前提としている為か上下左右独立していて大きいので押しやすいです。また、OK/デジタルズームボタンは上部に独立しています。

UIは安デジカメのようなよく分からないものといえばそうなのですが、慣れると使いやすくなるかもしれません。プログラムモードにすれば色々と調節できますがISO感度や露出補正、シャープネスや彩度、顔検出や効果などといった一般的な項目の調整となります。
電源は赤ボタン下の再生ボタンを兼ねたボタンを長押しすることにより入るのですが、長押しする秒数が約5秒近くと結構長いので素早く起動・撮影したい際には気になってしまいます。起動してからはサクサクとは言えないもののもたつくことはそんなに無いのですが。妙な操作系も国内メーカーの設計ではない海外舶来品の証なのでしょう。ですが以前のヤシカ EZ F924のようにフォントが明朝体でやたら達筆というわけでは無く常識的なゴシック体というのはよく分かりません。
本家では何色かラインナップされていますがエグゼモードが輸入していたのはブルーのみのようです。
 
 

天面
販売元がウリしていることがあり、ユーザーからもありがたがれることが多い独特な赤いシャッターボタンが見えます。ほとんどのAGFAPHOTOブランドのデジタルカメラにはこのような赤いシャッターボタンが搭載されているようです。
操作系は裏面に押し込んであるので天面にはシャッターボタン以外のボタンはありません。
 
 

特に名称・ブランド等の無いパンフォーカス・単焦点レンズが搭載されています。
スペックは3層グラス+2層プラスチック F3.2、7.0 f=6.09mm (35mmカメラ換算 36.5mm)とトイデジのソレですがガラスレンズが3層となっていることから贅沢な方なのでしょう。パンフォーカスで最低撮影距離は120cmから、マクロでは20cmとなります。レンズはこのようにトイデジタルカメラスペックなのですがイメージセンサーは1/2.5型 636万画素 CCDイメージセンサー搭載でありCCDセンサーということで物理シャッターが搭載されている等トイデジらしくないものとなっています。他機種でもトイデジ系レンズ+CCDセンサーという機種は多少存在していますが、やはりCMOSセンサー搭載の機種に比べるとかなり少ないものとなります。
レンズの周りの防水カバーのものと思われるビスは六角形の形状なので一般的なドライバーでは開けられません。防水カメラなのにレンズ内側が結露してよく曇ったりするので困ってしまいます。下部に見える穴はマイク用でしょうか。
 
 

パンフォーカスレンズなので焦点切替レバーがあります。この機種もトイデジタルカメラの例に漏れず液晶モニターの画素数が足らなくて不鮮明なのでマクロでの撮影は苦労します。もう慣れるしかないのでしょうか。
 
 

防水系デジタルカメラというだけあって底面もシンプルです。
 
DC-600uw
Mfg. by plawa,  GERMANY
Reted : 3.0V = 2.0A MAX
MADE IN CHINA

  
エグゼモード製品として国内では出回っていたのですがエグゼモードは輸入代理店であって開発元ではないのでexemodeの社名は表記されていません。GERMANYという文字でドイツ製品をアピールしていますが中国製なのでドイツで設計されたかドイツの会社が関わったかという意味なのでしょう。エグゼモードは謳っていませんでしたが、販売先がアグファフォトということでドイツ製品アピールしてしまい、トイデジスペックということで落胆するレビューもあったりするようですがそんなものなのでしょうか。
三脚穴は一応光軸上に配置されていますが鏡筒が出てくるといったわけでもないので意味は無さそうです。
  
 

防水系デジタルカメラということでスロットカバーの背面はゴムとなっていました。SDカードスロットと電池スロットは同じ場所に配置されていますがSDカードを交換するためにスロットカバーを開けても通電したままになるような設計となっています。こういう形状なのでカバーを開けたからといって電池が落下してしまう心配がないのはありがたいです。
 
SDカードはSDHCカードが使用可能で最高容量である32GBのカードも使用できました。さすがに32GBとなると動作が遅くなってしまうみたいですが。
 
  
画質はフィルム会社のブランドだけあってノーマルの状態でもかなりコッテリ目の発色をします。トイデジスペックのレンズということや値段が安いということもあって解像感が足りないような仕上がりになったり逆光に弱かったりと弱点はありますがコッテリ発色は中々魅力になると思います。特に等級が記載されていないということでお察しですが、各ショップサイトのレビューでは防水なのに浸水して故障したという書き込みが多いのであまり期待しない方が良さそうす。防水なのにレンズカバーが結露をおこしてしまうという時点でかなり心配なのですがこれは製造後年数が経って防水性能が失われてしまったためなのでしょう。
AGFAPHOTOというブランドのデジタルカメラではかなり異質の存在で知名度もそんなにないようですが個性的な機種なので動作品が何百円か販売されていたら購入してみたらいかがでしょうか。フィルムメーカーらしい発色には期待できます。
防水面に関しては中々ボロボロの評価を受けているのですが、画質に関しては同じようなスペックの(というかあちらの方が圧倒的に高い)I.mega HDC-401に大きく勝っていて個性というおまけまで付いてくるのでトイカメラというよりも海外製の超安価な簡易デジタルカメラというジャンルなのかもしれません。有名メーカーでも21世紀初頭では富士フイルムよりAXIA(@xia)ブランドやCASIO、Konica、RICOH、Kodakより同じようなスペックのデジタルカメラが安価に販売されていたのでそのような立ち位置のデジタルカメラのAGFAPHOTOバージョンなのでしょう。
 
 
価格:324円
状態:故障なし
 
 

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