かつてのイーストマンコダックが販売していたデジタルカメラなEasyShare LS753です。このモデルは一度日本市場から撤退したコダックが再度本格参入した初のモデルで、それなりに力を入れて販売されていたとのことです。その後、本体の経営破たんまで日本市場でデジタルカメラを販売していたコダックですが本体がデジタルカメラ部門をJK Imagingに売却するとコダックのデジカメは自然消滅、その後マスプロ電工が国内でのJK Imagingの正規代理店となりKodakブランドのデジタルカメラPIXPROシリーズを販売するに至っています。
購入価格は約1000円
コダックのデジタルカメラは人気があるのか無いのかいまいち分からないもので、値段が大きく付く事があれば買い叩きのような値段で取引されることも多いです。国内最後期の一部機種はコダック版フィルムシュミレーション機能が付いていたので廉価機でもかなりの値が付けられることも多い様子ですが。
本体は全面が金属製でかなり高級感がありますが、そんなにずっしりした重量感でもないというものです。左上には独自の画像処理エンジンであるKODAKカラーサイエンスチップのステッカーが貼られています。
背面
液晶モニターのサイズは小さいですが、背面もほとんどが金属製で光学ファインダーもあるなどつくりは良いです。
操作系UIは昔のイージーシェアシリーズのものですが、それ以外に撮影モードの切り替えなどが妙なもので初見時ではまず迷うようなものとなっています。モードは上部のダイヤルで切り替えてダイヤルを押し込んで決定、ズームはカーソルキーの下にあるレバーを左右に動かすことで操作などと完全に独自のものとなっています。モードアイコンは起動時や終了時には光ったりと眺めていて楽しいものではあるのですが。
液晶モニターは1.8型 13.4万画素カラーとそれなりのものが使われています。
天面
こちらまで金属製で高級感があるのはよろしいですが、電源ボタンとフラッシュボタンがほぼ同じ大きさでフラッシュボタンは電源の隣にあるので押し間違えてしまう…
シャッターボタンの上にあるダイヤルはほとんどモードダイヤル専用となっているらしく、このダイヤルを操作することによってMENUで項目を移動したりは出来ません。
Schneider - KREUZNACH C-VARIOGON
36-100mm (Equiv.) AF 2.8x Opt.
レンズはコダックデジカメではお馴染みシュナイダー クロイツナッハのCバリオゴンが搭載されています。国内では写真愛好家等以外にはあまり馴染みの無いブランドのようですが、海外ではどんな感じなのでしょうか。ズーム倍率は2.8倍と少しだけ控えめになっています。
イメージセンサーは536万画素 1/2.5型CCD 原色フィルターが搭載されています。この頃のコダックデジカメはぎりぎりまだ自社開発だったみたいですが、コダックの自社製CCDセンサーが使われているかは不明です。それでも有名なこってりカラーは出るので独自の調整はされてそうです。
現在のコダックデジカメといえばJK ImagingのPIXPROシリーズですが、レンズの商標までは取得できなかったのかPIXPROシリーズのレンズブランドはコダック時代のRETINAなどではなく全てPIXPROブランドとなっています。マイクロフォーサーズの交換式レンズもPIXPROブランドのレンズということになっているようです。
画像処理エンジンであるコダックカラーサイエンスチップのステッカーです。数十年に及ぶコダック独自の色技術により常に鮮やかな色とシャープな画像を実現したとのことです。
撮影時
一時期まではソニーのサイバーショットPシリーズなどで流行った横長スティックボディも現在ではほとんど見かけなくなってしまいました。元はパナソニックや京セラなどもこの形状のデジタルカメラがあったのですが。
外部電源はよく見るDC 5Vですが、デジタル出力はなぜかオリンパスで主に使われている形状のUSB端子です。お仲間のEasyShare LS755zoomと同じようにこのLS753もオリンパスが関係していたのでしょうか。
外部電源による電池の本体充電には対応していません。
KODAK EASYSHARE LS753 Zoom Digital Camera
Made in China Designed in Japan for Eastman Kodak Company,
このLS753も日本で設計されて中国で製造されたものでした。ということは旧チノンなコダックデジタルプロダクトセンターによるデジカメなのでしょうか。
中央には独自のインターフェイスなEasyShareシステム用の端子があります。ここにプリンタードックを接続することによって簡単に撮影画像をプリントできるというものです。
三脚穴まで金属製でした。
使用電池はリチウムイオン電池パック Kodak KLIC-5000という物ですが形状はNP-60と同じなので互換品は簡単に手に入ります。充電器は一般的なコンセント式のものですが全世界で使いまわしているのかプラグ部が付け替え式で折りたためないので意外と嵩張ります。電池容量も1050mAhとかなりあるので持ちも十分です。
当時2004年の発表を調べてみると船井電機とイーストマンコダックがデジタルスチルカメラの製造で合意し、船井電機の中国(広東)工場でコダックデジタルスチルカメラを製造というのがあったので、このLS753も元チノンの設計で船井電機による製造となるのかもしれません。船井電機での製造といっても完全にコダック向けでの製造だったのかFUNAI自社ブランドのデジタルカメラは存在せず、OEMメーカーのように各ベースモデルがあったりもしません。
撮影画像についての設定はほぼできませんので基本的にフルオート撮影となります。さすがにISO感度と露出補正は出来るのですが、逆に言うと設定できるのはそのくらいでご自慢のヴィヴィッドカラー等も無く、カラー設定はカラー/ブラウン/白黒のみとなっていました。
フルオートのはずなのにすごくヴィヴィド…
やっぱりヴィヴッド
もちろん普通の撮影もできるのです
マクロ
ビビッドカラー
ブルー出はそれなり
価格:1000円
状態:故障なし
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