現在はデジタルカメラのメジャーブランドとなっているLUMIXシリーズの初代機であるDMC-F7です。LUMIX初代機は2機種存在していますが片方がライカ バリオズミクロンレンズを搭載した高級デジカメのDMC-LC5で、もう片方がスタイリッシュ・コンパクトでライカレンズ搭載な高画質というのがこのDMC-F7になります。初号機なのにF7という中途半端な数字なのは意味があったのでしょうか。このLUMIXが発売される以前のパナソニックデジカメはグループ会社の松下寿電子工業がCOOLSHOTやCRADSHOTとして数機種発売する程度で(といってもキヤノンやニコンやコニカにOEM供給していたみたいですが)大きく展開されているものでは無かったようです。それを松下電器産業本体が本気を出して売り込み始めたのがこのルミックスシリーズになります。
価格はドフの青カゴでバッテリー付き324円
良く売れたようであちらこちらで同機種ジャンクを見かけますが、大抵はバッテリーが寿命か手動式の電源兼レンズカバーが故障しているようです。アルミ製で軟らかいのかボディに大きくキズが入っている個体も見かけます。
デザインは現在では見かけなくなったスティック型で、かなりコンパクトでカッコイイです。現代のルミックスシリーズにも付いている金のLエンブレムは初代からあったようですがブランドが浸透していないためかエンブレムの下にLUMIXロゴがあります。沈殿式のズームレンズを搭載してスティック型というのは後継のFXシリーズでもそのままですが、電源を兼ねたレンズカバー式というのはこのDMC-F7と後継のDMC-F1しかありません。
Panasonic DMC-F7 35mm EQUIV. 35-70 LUMIX
まだLUMIXというブランドの知名度が低いのでLUMIXというよりPanasonicということを大きくアピールしているように見えます。パナソニックやナショナルの家電といえば自社ロゴの下に型番表記というのが定番ですがこの機種もその表示形態採用です。金属製のレンズシャッターには刻印でレンズスペックが記載されています。
電源スイッチは左上のスライドスイッチでレンズカバーが開いた後に電源スイッチの感触があります。
背面
初代でも後のスティックルミックスとそんなに違いのない操作系となっています。モードダイヤルが無かったり、ズームボタンがシーソー式だったりなどの違いはありますが。
UIは後の機種では見かけない独特なものでレスポンスが悪いので操作性が良くは無いのですが設定項目が少なくて階層化されていないという状態なので簡単に操作は出来ます。露出補正やホワイトバランス、ISO感度の項目までMENUにあるのでちょっと面倒に感じますが。ユーザーターゲット的にカメラ初心者が扱うことが想定されていると思ったら、ISO感度の自動が存在しないという謎システムになっています。「暗ければ増感しろ」というのはある程度慣れてくれば知る機会もありますが、ほとんどの場合は知らないので… 露出補正はこのクラスのデジカメとしては0.25単位の珍しい4段調整です。
液晶モニターは1.5インチ 6万ドットとほとんど光学ファインダーで撮ることになりそう… と思ったら液晶モニターがオフに出来ないという。
天面
再生モードへは専用のスライドスイッチで、シャッターボタンの感触は良いです。パナソニックデジカメということで記録メディアは誕生して間もないSDカードとなっています。相棒のDMC-LC5ではSDカード初期機だけあって512MB以上のSDカードを受け付けないという仕様だったみたいですが、このDMC-F7では何故か2GBのSDカードも使用出来たりします。当時ではソニーのメモリースティックのようにデジカメにはメモリーカードの販促という意味合いもあったようです。それを拡大したのが富士フイルムとオリンパスのxDピクチャーカードだと思いますが、末路は御存じの通りです。
LEICA DC VARIO - ELMARIT
1:2.8-4.0 / 5.3-10.6 ASPH. OPTICAL 2x ZOOM 35mm EQUIV. 35-70
デジカメのレンズとしては珍しかったライカブランドのレンズが搭載されています。光学2倍ズームとこの機種でしか見られない独特なレンズのようです。自社デジカメにライカレンズを搭載するというブランド戦略は見事成功したようである程度の年代層を取り込めたとのこと。「ライカレンズなので高画質!」とよく書かれてますし。実際に無理をしていないズームとそれなりの明るさということでよく写るレンズです。
イメージセンサーは211万画素 1/2.7型 原色フィルターCCDとなります。時代相応で低画素小サイズですが、意外と綺麗に撮れるのです。画像処理の関係か嘘っぽいほどに彩度が高く写ることがあり、晴天屋外で撮ると空の色や赤色などが凄い色になることが多いです。
画像処理エンジンはまだ特に名称などは無いものの京セラのRTUNEで有名になったNuCORE Technology製の画像処理アルゴリズムが搭載されています。JVCの業務用ビデオカメラにそのまま搭載されるなど優秀で低価格な処理エンジンだそうですが… あそこまで彩度が高い処理は松下電器の意向だったのでしょうか。京セラ版のRTUNEではかなりシットリ系の発色だったので。
撮影時
やはりこうやってみるとスタイリッシュです。
品番 DMC-F7 DC 5V
松下電器産業株式会社 日本製
古い時代のデジタルカメラなので松下電器産業株式会社名義で日本製となっています。パナソニックの本格デジカメ初代ということで三脚穴が明後日の方向にあったりとズレていると思ったら、ちゃんと中央にあってしかも金属製でした。スティック型のデジカメなので各スロットは側面にあります。
バッテリー/メモリカードスロット
外部電源入力もこちらにあります。この機種はルミックスとしては珍しい極性統一プラグDC 5Vで本体充電となっています。電池スロットについては電池押えが元から無く、スロットカバーを開けるとそのまま電池が飛び出してくるというよくなさそうなものです。ACアダプターを繋いでいてもギリギリスロットカバーとは干渉しないのでコードを繋いだまま電池やメモリーカードを交換できます。
電池は専用リチウムイオン電池パックであるPanasonic DMW-BC7を使用します。たった2機種にしか使われていないという汎用性の無いリチウムイオン電池パックです。そして何故かよくお亡くなりになっているらしく、電池付属でも電池寿命というジャンク品をいくつも見ました。よく膨らんで使用不能になる富士フイルムのNP-40のようなものでしょうか。こちらは膨らまずに残量が少なくなるだけなのでまだ健全的ですが。新品コンディションのバッテリーでも当時としては新しい画像処理プロセッサーを搭載していたためか元から電池持ちは良くなかったようです。
メモリーカードはSDカードを使用します。SDカード初期機でありがちなMBクラスのSDカードしか使用できないということは無く、普通に2GBのSDカードが使えました。
画質は光量が足りれば妙に鮮やかで彩度の高いものです。レンズと処理エンジンは悪くないのか立体的な画像が結構撮れます。200万画素ということやメーカー初期のデジカメということでAWBがおかしかったり、ISOの自動が無いのに調整が面倒といった欠点もありますが。
撮ってから気が付いたけれども周りが毛虫だらけ…
花の描写や発色はとても良いです。
同じく スペックではマクロは目立たないもののかなり良いかも
原色フィルターの発色が活きてます
ちょっとAWBがマゼンタ寄りか
これくらいの被写体距離ならば200万画素はあまり問題にはなりません。
遠景は別枠で撮ってみます。
LUMIX DMC-F7 | |||||
メーカー | Panasonic | ||||
松下電器産業株式会社 | |||||
原産国 | 日本製 | ||||
発売 | 2001/10/27 | ||||
メディア | SDカード / マルチメディアカード | ||||
センサー | 211万画素 1/2.7型CCD 原色フィルター | ||||
レンズブランド | LEICA DC VARIO - ELMARIT ASPH. | ||||
レンズ構成 | 6群7枚 9面 非球面レンズ 2枚 | ||||
画像エンジン | NuCORE Technology製プロセッサー | ||||
手ブレ補正 | |||||
光学ズーム | 2倍 | ||||
電池 | DMW-BC7 3.6V 700mAh | ||||
モニター | 1.5型 6万画素 TFTカラー液晶 | ||||
ファインダー | 光学 ズーム連動 | ||||
バージョン | |||||
ボディ外装 | アルミニウム | ||||
価格 | オープン | ||||
その他 | |||||
ISO | 100-400 AUTOなし | ||||
F値 | F:2.8-F:4.0 | ||||
圧縮率 | ファイン/スタンダード | ||||
動画 | QVGA Quick Time | ||||
MF | |||||
GPS | |||||
タッチパネル | |||||
容量上限 | |||||
カラーモード | |||||
ストロボ | 内蔵 | ||||
ドライブ | 動画/静止画/連写 |
価格:324円 電池付き
状態:撮影可能 日付リセット
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