2016年9月9日金曜日

Victor PIXSTAR GC-X3

 
あの日本ビクターのVictorブランドのデジタルスチルカメラです。日本ビクターは御存じの通りデジタルビデオカメラでは現在JVCになっても続けていて参入も古いなどと印象がありますが、静止画撮影がメインなデジタルスチルカメラはたった3機種しか発売していません。ビデオカメラのノウハルを活かして… ということで参入したのだと思いますがブランド名の関係か発売定価の高さからかほとんと売れずに消えていきました。このPIXSTAR GC-X3はそんなVictorブランドのデジタルスチルカメラ最終機種になります。最終機種といっても2000年発売でスマートメディア機と随分古いものです。
購入価格は約1500円
2000年発売の割には結構高いですが、元が定価約13万円という高級機種ということやレア機種ということである程度の高価格は仕方がありません。

追記・訂正

実際には2001年にVictor Pixstar GC-V5などが出ていたりと最後のデジタルスチルカメラではありませんでした。申し訳ございません。
でもそのGC-V5はスペックやUIがまんまLUMIX F7と同じなのでどちらかがOEMだと思われます。


先代モデルのPIXSTAR GC-X3では同じボディでもカラーがシルバーでしたが、マイナーチェンジ版であるGC-X3ではカラーがブラック基調となりました。定価が非常に高い高級機なのでボディは冷間鍛造アルミニウムメタルブラックボディに背面はカーボンファイバー混入エンジニアプラスチックと謎の力の入れっぷりですが定価12万5千円の力なのでしょうか。感触は非常に良いのですが安っぽい素材と勘違いされることもあったようでよく分かりません。付属のレンズキャップは被せる式ですが簡単に外れるタイプではなく紛失防止の紐付きとそれなりだと思います。

Victor  GC-X3 digital still camera  3.3 MEGA PIXELS  DSC



良いエンジニアリングプラスチックを使ったという背面です。ボタンが天面付近にほとんど配置されているので液晶モニター付近にはボタンがほぼ無いという独特なデザインとなっています。
UIは前機種であるGC-X1を改良したもののようで、モードダイヤルの他にスティックキーでモードを更に切り替えるというビデオカメラに通じたものですがスチルカメラとしては少々使いにくいような。モードスティックキーの隣に同じ形状のズームキーがあるのでよく間違えてしまいます。十字キーに実行を使用する操作はこの年代のデジカメにありがちなものです。
液晶モニターはソニー製の2.0型20万画素 TFTカラー液晶モニターが搭載されています。撮影情報は上部のサブモニターに表示してメインカラーモニターにはほとんど表示しないタイプです。
撮影時のレスポンスは年代を考えると非常によく、最高画素のファインでとってもメーカーが謳う通りレリーズタイムラグや撮影間隔はかなり短いです。メニュー操作のスピードも速くは無いもののイライラするほどでもないという速さになります。問題なのが再生時のレスポンスで画像1枚を表示するのに5秒以上かかるという激遅レベルなので本体で撮影画像を観賞したくないどころか削除もしたくないレベルです。
このカーボンファイバー混入エンジニアリングプラスチック製だという背面ボディは分解してみると朝日パーツ製と表記されていて製造は2000年8月となっていたので本体の製造もそれくらいだと思われます。



天面
操作系が集結していたりサブモニターがあったりゴチャついてますが質感は非常に良いです。一部部に操作系を集めてしまうのもビデオカメラの影響なのでしょうか。
シャッターボタンも良いプラスチックを使っているのかちょっと硬い感じがするものの感触がかなり良いです。モノクロのサブモニターはデジタルスチルカメラとしてはかなり珍しい日本語表示対応のものとなっています。前機種GC-X1では絞りのボタンがビデオカメラっぽい表記のアイリス表記でしたが、このGC-X3ではスチルカメラらしい絞り表記となっています。



ASPHERICAL LENS
ZOOM 7.5-17.5mm 1:2.8-3.8 


特にブランドの無いものの非球面レンズという光学2.3倍ズームレンズを搭載しています。レンズキャップが付いているものの表面がコーティング付きプロテクターがある独特な形状や光学2.3倍ズームということからオリジナルなのでしょう。絞り羽根搭載で描写も良いという上質なものですが、内部の接合部がくもりやすいという弱点があるらしくこの個体も若干くもっていました。

イメージセンサーは334万画素 1/1.8型CCD 原色フィルターですが、ハニカム補間のような方法で600万画素級で記録できるピクセルシフトモードがあります。分解してみるとやけに部品の多かったソニー製のセンサーユニットだったのでコストは結構かかっていると思われます。ピクセルシフトの他にHDR機能やフィルム撮影モードなど機能多彩なので。発色は原色フィルターとは思えない淡い発色ですが解像感の高い良い感じのものです。ピクセルシフトについてはあくまで色再現性が600万画素級で解像度は400万画素級ですがあまり差異は無いでしょう。
画像処理エンジンについては記載が無いので不明ですが本体にはJVCチップが多く搭載されていたので自社製でしょうか。



撮影時
画像ではいまいち分かりませんが本体サイズは割と大き目です。



独特な曲線フォルム



Victor  DIGITAL STILL CAMERA
GC-X3(T) 
日本ビクター株式会社   MADE IN JAPAN  014A


Victorブランドで日本ビクター株式会社名義、日本製となっていました。DV ご相談窓口ということは製品分類的にはスチルカメラでもムービーカメラと同じ扱いなのでしょう。
記録メディアは64MBまでのスマートメディア 3.3Vを使用します。スマートメディアということで書き込み速度は速くないはずですがシャッタータイムラグが小さいということはバッファが大きいのでしょうか。通常のスマートメディア採用器はスマートメディアそのものがデリケートということで電源が入った状態でスロットカバーが明けられると電源が落ちる仕組みですがこのGC-X3はそれが無かったり、メディアが逆装填できてしまうなどスロットはお粗末なつくりに感じます。バッテリースロットもこちらにありますが、落下防止で電池が引っかかるのは良いけれどもその後がひたすら取り出しにくいというやはりお粗末なものです。



電池はほとんど専用品っぽいリチウムイオン電池 Victor BN-V37です。電池持ちは元からそんなによくないようでバッテリー評価はそれなりのようです。使っていると本体表面が熱くなってくるので消費電力が大きいのか?と思ったら、分解してみるとチップの発熱を銅箔テープでアルミボティに逃がすという構造故のものでした。スマートメディアは64MBまでしか使えないのでピクセルシフトの600万画素はそんなに撮れないかと思います。 
 
購入して1日間は普通に動いたのですが、その日の夕方には電源が入らなくなってしまいました。分解してみるとフレキの端子部がパターンごとごっそり剥離していたのでそれが原因だと思われます。撮影画像を見てみるとレンズが若干くもっていたようで光量が多い部分ではくもった写りとなっていたものの、それ以外では補色フィルターっぽい発色ながらも緑色がはっきりと出て高解像度ないい画質です。なお、いくつかの静止画高画質モードでは何れも本体を数十秒固定して使うものなので、三脚等の使用が前提となります。それでもNRモードではノイズの少ない画像が得られたりと気合を入れる場面では使いたくなる機能です。
 
 
Victor PIXSTAR GC-X3
メーカーVictor
日本ビクター株式会社
原産国MADE IN JAPAN
発売2000/10月
メディアSmartMedia 3.3V
センサー334万画素 1/1.8型 CCD 原色フィルター
レンズブランドASPHERICAL LENS
レンズ構成
画像エンジン
手ブレ補正
光学ズーム2.3倍
電池BN-V37 3.6V 770mAh
モニター2.0型 20万画素 TFTカラー液晶  Sony製
ファインダー光学 ズーム連動
バージョン
ボディ外装冷間鋳造アルミニウム / カーボンファイバー混入エンジニアプラスチック
価格12,5000円
その他HDR、ピクセルシフト、フィルムコピー、NRモード

ISOAUTO / 80-320
F値F:2.8-F:3.8
圧縮率ファイン/ノーマル 非圧縮 TIFF
動画×
MF
GPS
タッチパネル
容量上限64MB
カラーモードあり
ストロボ内蔵
ドライブマニュアル撮影,オート、フレーム、動画

価格:1500円
状態:故障なし→電源入らず
 




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