2016年7月10日日曜日

PENTAX Optio VS20 20倍ズーム




  
PENTAXがHOYAに買収され、さらにコンシューマー光学機器部門がリコーイメージングに売却された後のデジタルカメラOptioシリーズです。数年前までは高級コンパクトデジタルカメラのちょっとしたズームによりOptioシリーズからも高級機が販売されていたりしましたが、現在はリコーイメージングが通常のコンパクトデジタルカメラに消極的なためかOptioシリーズは販売されていません。

購入価格は某ドフで540円とお買い得でした。店舗によりますが、この手の機種はジャンクでも数千円してガラスの向こうという事がほとんどなので。
VSシリーズはコンパクトデジタルカメラの中でも高倍率ズームという特徴のほかに他社では見られない縦撮り用ボタンが大きな特徴となっていましたがそんなに機種は発売されなかったようです。当時の実売価格も1万円台前半で1万切ることもあったということなので同じ高倍率シリーズのLUMIX TZシリーズやFinePix Fシリーズ等と比べると大きな価格差があります。PENTAXというブランドも一因のようですが。
PENTAXはどうもロゴを縦に配置するのが好きだったみたいです。過去の機種を見てみても多くのコンパクトデジタルカメラタイプが縦にロゴが配置されています。


  
価格が安いながらも液晶画面は大きなものが搭載されています。解像度等はそこまでよろしくないですが価格が価格なので仕方がありません。でも解像感が無いだけではなく、そもそも発色がイマイチで汚く見える、かなりザラザラでノイジーで撮影した画像をプレビューするとまったく綺麗に撮れているように見えないという損をするタイプの機種です。
UIはかつてのOptioシリーズに似たものながらもリコーUIがくっ付いたような感じになっています。Pのしたに見える緑の●はリコーコンパクトデジタルカメラでおなじみな電子水準器で向きによって三日月のような形になって色も変わります。ペンタックスコンパクトデジタルカメラでおなじみになっていたグリーンボタンも健在でグリーンモード切り替えのほかに露出補正などを割り当てることができます。グリーンモードは容易に扱えるような簡単モードです
この価格帯ながらも動画ボタンと再生ボタンは独立しています。代わりになのかモードダイヤルは無いので十字ボタンの下でモードを切り替える感じです。
このデジタルカメラが損していると感じるのは液晶モニターの質があまりにも悪く、PCやスマートフォンの画面で撮影画像をチェックするとクッキリキレイに写っているのに、本体液晶モニターで確認するとノイジーで汚い発色となることです。これでは本体液晶モニターでのみ観賞する層にうけないと思いますが、価格が価格だけに贅沢になってしまうのかもしれません。

だから何もできないただの廉価高倍率デジタルカメラと思ったら実際にはコントラスト/シャープネス/彩度の調整が可能だったり、オリンパス系の機種以外ではほとんど搭載されていないピクセルマッピング機能があったりと妙に高機能です。それでも手振れ補正はセンサーシフト式のみの搭載で電子式も搭載したデュアルSRになっていないことからやはり安い機種なのだとは思いますが。また、高倍率機にありがちな超解像系デジタルズームもありません。




 PENTAX Optio VS20 

OPTICAL 20x ZOOM  COMPACT DIGITAL CAMERA  
 
上部に銘柄があるのはどこのメーカーもほとんど同じですね。電源ボタンとシャッターボタンは高さに違いがあるので間違えないかと思います。ズームボタンもシーソー式で扱いやすいです。
上から見るとわかりますが高倍率ズーム機の宿命であるレンズ部の出っ張りが大きいことがわかります。これについてはどのメーカーの機種も同じようなものなので仕方がありません。
画像はワイド端でのレンズ状態となっています。



  
smc PENTAX LENS   5mm-100mm OPTICAL 20X ZOOM
 SHAKE REDUCTION SR 16 MEGA PIXELS

独自のコーティングなsmc PENTAX LENSが搭載されています。レンズの周りに本体スペックを表記するのもOptioシリーズ独特です。表記の通り手振れ補正であるSRことシェイクリダクションが搭載されています。光学機器メーカーですが手振れ補正はイメージセンサーシフト方式となっています。
smc PENTAXということで逆光に滅法強いと思ったら、そうでもないですがsmcを名乗っているレンズだけあってテレ端以外では良好な画像が撮れます。超解像技術は搭載されていないので超解像ズームなどはできないのですが、光学20倍なのでかなり遠距離の物でも綺麗に写せます。
旭光学工業のSMC PENTAX LENSと後のsmc PENTAX LENSは意味が違うらしく、小文字のsmcはスーパーマルチコートではないと思われます。
 

  
Optio VS20  
PENTAX RICOH IMAGING CO., LTD.    MADE IN CHINA  N73

製造年月は不明ですが社名表記はすでにHOYA株式会社ではなくペンタックスリコーイメージング株式会社となっていました。三脚穴は中央に配置されているのでいい感じです。
価格が安いのでほぼプラスチック製でいかにも樹脂製ですという感じですが、あまり安っぽい感じではないのでこれで良いと思います。


  
これが最大の特徴である縦撮り用シャッターボタンです。反対側には三脚穴もついているという徹底ぶりです。地味に2点吊りストラップも珍しいのではないのでしょうか。
画像でわかりますがシャッターボタンだけではなくズームボタンまでちゃんとついているのでズームも自由自在です。最も通常時の横取りモードではこの縦撮りボタンは無効化されているので本体の向きを縦にしないと使えないのですが。




使用電池は専用リチウムイオン電池パックであるD-LI122ですがFUJIFILMのNP-50と形が同じです。
このD-LI122はOptioのほかにもミラーレス一眼であるQシリーズの一部モデルに使われているほか、FUJIFILMのNP-50はFinePix FシリーズのEXRモデルにはほとんど使われている電池なのでかなり互換性が高いことがわかります。他にもコダック自社販売最後期のEasyShareシリーズにも使われていたりするみたいです。この電池はかつてペンタックス時代にOptio A40で同型電池を採用しましたが、松下電池工業の工場火事によりA40の発売が延期になったという事があったので、同じ形状のリチウムイオン電池はパナソニック製なのかもしれません。
SDカードはSDXCカードも使用可能となっています。16メガピクセルで撮影しまくって、撮り溜めたらかなりの容量になるのでSDHCやSDXCを使うと余裕が持てるかと思います。


画質は高画素に小センサー、そして高倍率ズームということでとろける油絵になり気味ですが、テレ端以外ではズームしてもシャープな絵が撮れます。しかし、高倍率時のAFは苦手なのか外していることが何回かありました。20倍ズームとなるのでテレ端ではいくらシェイクリダクションがあるとしても真昼の屋外などでない限り手振れは結構起こってしまいます。ズームは段階式のようになっているのか20倍の下は18倍ですがテレ端でなければAFが決まるのであえてテレ端を避ける構図にしても良いかもしれません。

やはり無理しているのか光学20倍のテレ端ではかなり画がとろける塗り画になってしまうのでテレ端を避けて使うと綺麗に撮れるかと思います。どうしてもテレ端を使いたい場合は多少不自然になるかもしれませんがシャープネスを強めにして撮影するとマシになるかと思います。
発色はクラス的に晴天番長ですが、晴天の屋外で使うと緑色の綺麗な濃い発色で撮れます。

これが本体価格5万円程度ならばイマイチとなるかもしれませんが、1万円前後ならばコストパフォーマンスはかなり良いと思います。。最近は各メーカーの不振の部門は撤退が相次いでいるので高倍率コンパクトデジタルカメラの選択肢は減ってしまいましたが、画質に拘らないのならばかなり便利に使えるジャンルです。





PENTAX Optio VS20
メーカー PENTAX
PENTAX RICOH IMAGING CO., LTD.
発売 2012/2/16
メディア SDXCカード、内蔵メモリー 16MB
センサー 1/2.33型 CCD
レンズブランド smc PENTAX LENS
レンズ構成 8群11枚(非球面レンズ1枚使用)
画像エンジン 最新の画像処理エンジン
手ブレ補正 静止画:SR(Shake Reduction)センサーシフト、動画:Movie SR(電子式)
光学ズーム 20倍
ファインダー 液晶モニター
バージョン
価格 オープン
その他
ISO 100-6400 (3200以上は画素数5M制限)
F値 3.1(W)-4.8(T)
圧縮率 指定不可
動画 1280/640/320 (30fps-15fps)
MF
GPS
タッチパネル
容量上限 64GB
カラーモード  特になし(モードで調整)
ストロボ 内蔵
ドライブ 動画/静止画


 


自動ピクチャーモードで撮影
晴天時屋外で撮影したものなので黄色と緑色が綺麗に出ています。これだけ撮れれば普通の使い方では十分です。

  
どれだけ解像しているかチェック
割と枝や葉も解像されているかと思います。そして逆光でこの発色とダイナミックレンジなのでやはり十分です。

  
晴天番長なだけあってこのような条件は得意
ですが左部の網の細かい分はとろけています

  
晴天屋外で順光ならばこれだけ



花モードで撮影
露出も割と正確でダイナミックレンジも問題なさそうです。
 


かなりズームしてシャープネスを強にしたもの
今年の3月に撮影したものですが、西原村の風力発電風車が綺麗に写っています。なんども書きましたが、ズームでもこれだけ写れば十分です。
広角側ではシャープでペンタックスらしい鮮やか画像を得られるのですが、望遠側となると厳しいのか一気に画質が低下して眠たい画になってしまいます。シャープネス強にすればある程度改善されるので面倒ですがテレ端付近ではシャープネス強を使うなどすれば綺麗に写せるかと思います。何しろ新品で1万円を切っていたような機種なのでレンズにコストを掛けるのが難しかったのでしょう。記載画像のように広角側やある程度のズームまでは綺麗に写せるので極悪レンズというわけではないのですが。


(試し撮り画像は16Mもしくは7Mで撮影したものをリサイズ)


価格:540円
状態:レンズカバー不調→改善
 

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