2016年4月13日水曜日

Nikon COOLPIX 5200 E5200 プラチナブルー

  

まだニコンがナイスグリップと呼ぶ大きなグリップが付いていたころのデジタルスチルカメラ クールピクスシリーズです。最初期~2000年代のクールピクスシリーズの愛称には他社のようにアルファベットが無く、3桁や4桁の数字が画素数やグレードなどで振り分けられていました。型番表記では愛称の数字の頭にEが付くのも伝統です。

COOLPIX 5200は2004年6月4日に発売されたデジタルカメラです。兄弟機としてオープン価格ながらも価格が安いCOOLPIX 4200も同月に発売されており、画素数は機能以外の外見などはこのCOOLPIX 5200と同じ感じです。E4200のカラーはE5200と違ってシルバーのみですが。
このクールピクスシリーズはナイスグリップと呼ぶグリップが特徴であり、この5200でも初期と比べると小さくなりましたが大きなグリップが付いているのでホールド感の向上に役立っています。このスタイルに4桁型番、NIKKORレンズというのはクールピクスシリーズの定番スタイルでした。


  
2004年発売のデジタルカメラにしては液晶モニターが1.5型と小さいですが、低温ポリシリコン TFTカラー液晶と大きさ以外のスペックはそれなりです。
UIは2000年代中ごろのニコンのものであり、階層化されていない代わりに何度もボタンを押して設定したい項目を表示しなければならないので面倒に感じるかもしれません。基本的にオートカメラなので設定できる項目は少なく、露出補正やマクロなどといったよく使うキーはカーソルキーに割り当てられているのであまり不便には感じませんでしたが、再生モードは同世代のLUMIXシリーズとは違って独立したボタンになっているのでこちらの方が使いやすく感じます。よく勘違いされているのですが、モードダイヤルに無いからといって再生モードでの起動が不可なわけではなく電源が切れている状態で再生ボタンを長押しするとちゃんと再生モードで起動します。

一応この機種はスタンダードクラスかエントリークラスとされているのですが、全面的に塗装されたアルミニウムボディは感触も良いです。各ボタンの押し心地も良いのでコストがかけられているものだと分かります。でもニコンは当時、現在のように若者向けなどといったアピールはしていなく、購入層が限られて価格崩壊も早かったようで…


   
天面もモードダイヤルと電源、シャッターボタンが付いているという従来のナイスグリップと系のクールピクスシリーズと同じです。モードダイヤルを見てわかる通りカメラマークのオート、シーン、風景やスポーツその他SET UPとP(プログラムオート)モードすら無いほぼ完全なオートカメラであることが分かります。プログラム撮影はこのクラスの機種ではなくCOOLPIX 5400などといったハイエンドデジタルカメラやデジタル一眼レフのDシリーズを買えということなのでしょうか。ブルーに塗装されていないシルバー部もちゃんと金属製でCOOLPIXと刻印されているなど拘られています。
 
レンズ部には金リングがありますが、これは元はニコンのEDレンズの象徴として使われていたものとのこと。現在ではその意義も薄れてEDレンズ専用というわけではなくなったのですが、ある程度以上の高級レンズにつけられるようになったとかでプレミアムな感じがします。意味合いが無くなった後の製品だからなのかニコンの自社製ではないためかCOOLPIX 7900には同じようなレンズ採用なのに金リングはありません。
 
 
  
ZOOM NIKKOR ED    
  7.8-23.4mm  1:2.8-4.9 

 
レンズはニッコール銘柄のズームレンズが搭載されていますが、通常のズームニッコールとは異なりZOOM NIKKOR EDとなっています。このEDというのは特殊低分散ガラスの略称であり、一般的なズームレンズに使われている非球面レンズ(Asphelical)に加え上記のEDレンズが搭載されていることにより高画質なレンズとなっているようです。それに加えてニコン デジタル一眼レフにも採用されている最新画像処理エンジンにより諧調豊かな美しい画像を実現したとか。その後のニコンの画像処理エンジンにはEXPEEDという名前が付けられますが、この頃はどうやら固有の画像処理エンジンをアピールするという時代ではなかったのか自社の画像処理エンジンをアピールしていくメーカーとそうでないメーカーの半々な状態でした。画像処理エンジンをアピールしていたのはパナソニックのヴィーナスエンジン、キヤノンのDIGIC、ミノルタ(コニカミノルタ)のCxProcess、オリンパスのTruePic、カシオのエクシリムエンジンでしょうか。
レンズの明るさは広角側がF:2.8で望遠側がF4.9と普通な感じです。広角レンズというわけではなないのですがこれは10年程前の製品な為でしょう。



  
記録メディアはSDカードを使用し、このシリーズは伝統的にSDカードスロットは独立して側面にあります。このカバーもちゃんと金属製で作りも良いです。
外部電源は下部にカバーが見えているところから分かるようにDCカプラー式で本体充電などの機能はありません。


  
Nikon E5200
4.2/3.7V = 1.0A   N150
NIKON CORPORATION     MADE IN JAPAN


底面を見てみると、クールピクスシリーズでは珍しい日本製ということが分かります。この機種、実はこの仙台ニコンのサイトを見ると分かる通りクールピクスシリーズではたった二機種しかない仙台ニコンによる自社製なのです。もう一つの機種はニコンのご自慢であったスイバル式のCOOLPIX SQになります。他のナイスグリップを採用したクールピクスシリーズはインドネシア製で分解したところ三洋製っぽい構造となっていたことなどから一般的なクールピクスシリーズは三洋電機による製造といわれていました。同じようなシリーズや後継機のE7900やE5900といった機種では中国製やインドネシア製に戻っているので元の三洋電機やその他の会社による製造に戻ったものと思われます。SQはまだ独特でニコンが力を入れた機種なので仙台ニコンによる自社製造というのも分かりますが、このクールピクス5200がなぜ自社製造になったのかは分かりません。似たような機種であるCOOLPIX 7900は既に所持していたのですが、仙台ニコンによる数少ない自社製造クールピクスというのが気になって買ってしまった…

三脚穴は中央付近に配置されていて光軸上です。電池スロットカバーが半分以上のサイズを占めていますがこんなもおでしょう。三脚穴とその付近のMADE IN JAPANと表記してあるあたりは樹脂製ですが他は金属製だったりします。



使用電池はバッテリースロットに記載されている通り当時のクールピクスシリーズで多く採用されたNikon EN-EL5を使用します。個体によるかもしれませんが電池も日本製で容量も1100mAhと余裕のあるものとなっています。このデザインのクールピクスでも廉価バージョンでは乾電池仕様とされた機種もあったみたいですが、乾電池仕様の場合では公称電池寿命に差が結構あるようで。そしてある時期を超えたNikonブランドのリチウムイオン電池パックは偽物が多いのか金色のホログラムが貼られるようになりました。


画質は当時は特別なNIKKOR EDレンズというだけあって解像感もあってシャープで綺麗です。センサーサイズも1/1.8型なのでそこまでノイジーでもなく現在でも普通に使えると思います。

Nikon COOLPIX E5200

メーカーNikon
NIKON CORPORATION
原産国MADE IN JAPAN
発売2004/06/04
メディアSDカード、内蔵メモリー12MB
センサー1/1.8型 原色CCD 総画素526万ピクセル
レンズブランドZOOM NIKKOR ED
レンズ構成6群7枚 特殊低分散ガラス:1枚、非球面レンズ:2枚 その他
画像エンジン新画像処理エンジン
手ブレ補正 (手振れ警告機能)
光学ズーム3倍
ファインダー光学
バージョンバージョンアップなし
価格オープン(4万円程度)
その他仙台ニコン製、EDレンズ、ナイスグリップ

ISO64-400、AUTO
F値F:2.8(W)-F:4.9(T)
圧縮率FINE/NORMAL/BASIC
動画VGA/QVGA
MF
GPS
タッチパネル
容量上限?(2GB使用可能)
カラーモード
ストロボ内蔵
ドライブ静止画、動画、録音

仙台ニコンによる自社製ということで興味を持った機種でしたが、ニッコールEDレンズというだけあって高画質でコンパクトな扱いやすい機種でした。画質は上位機種にも負けていないのは無いかと思うのですが、人間の撮影設定への介入は限定的でマニュアル撮影は期待できません。このクラスで諧調設定やノイズリダクションのON/OFF、シャープネスの設定ができるのは珍しいのですが。
画質は輪郭強調自動だと軟調気味な画でメリハリが無く感じられるので一般受けし無さそうな画ですが、輪郭強調標準にすると一般的なレベルになるので自動設定で不満な場合は変えてみると良いでしょう。 


価格:540円
状態:日付リセット
 
 

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