2016年6月26日日曜日

CASIO EXILIM EX-Z4


カシオ計算機が驚異のウェラブルサイズデジタルカメラ EXILIMブランドを立ち上げてインパクトを与えた後に初代EXILIM Sシリーズのサイズを継ぎながらもズームレンズ等を搭載して常識的なコンパクトデジタルカメラとなったEXILIM EX-Z4です。このシリーズはEXILIM ZOOM シリーズとなっており、EX-Z3から始まってZ4は2代目となる機種です。当時はエクシリム=超薄型という認識をされていましたが、そのイメージを壊さないカードサイズながらも光学3倍ズームとなっています。これだけの薄型化を達成できたのは当時はまだ買収されていなかったペンタックスとの協業のおかげのようです。
購入価格はKカメラで500円。ジャンク価格がほぼ一律なカメラのKなので500円ですが、Hオフなどでは324円程度でどこにでも転がっている機種でしたがいつの間にか見なくなってしまいました。
 
先代のEX-Z3から画素数は増えて400万画素級となり、グリップ部のEXILIMロゴはホログラム加工となりました。CASIOロゴは現在とは違って控えめサイズとなっています。ペンタックスレンズということで非常に個性的な形状のレンズユニットなので目立ちます。
ボディはこれも当時のエクシリムシリーズの特徴な金属製なので高級感はばっちりです。
 

  
この年代にしては大きな液晶モニターが搭載されていますが、小さいながらも光学ファインダーがありました。
まだカシオ名物のダイレクトボタンは無く、普通に電源ボタンから電源は入切してPLAY/RECのモードスイッチで再生・撮影を切り替えます。操作系はSETが独立した十字カーソルキーですが、かなり操作しやすい方かと思われます。UIは旧カシオ系統のものでシンプルに分かりやすいので結構使いこなせるかと思います。
 
液晶モニター枠の下部にはEXILIMロゴがありますが金属ボディに刻印なので見えづらいですが、これくらいが過度な主張とならずにちょうど良いのでしょう。
 
 

 4.0 MEGA PIXELS DIGITAL CAMERA EX-Z4 
画像はテレ端の状態ですが本体の薄さよりレンズの長さの方が大きいことが分かります。これだけ当時にレンズユニットを薄型化できたのはOptio Sに搭載されたペンタックス独自のスライディングレンズシステムによるものとのことです。オリジナルとして扱われているPENTAX Optio Sも電子部品系はカシオによるものとということで2社が協業していたこととなっています。電源ボタンはツメで押す前提なのかかなり小さめです。
 
 

  
smc PENTAX ZOOM LENS  3x OPTICAL ZOOM
 5.8 - 17.4mm
 
 
カシオのデジカメですがsmc PENTAXブランドのズームレンズが搭載されています。この特徴的な形状のレンズユニットがスライディングレンズシステム採用のレンズユニットです。
smc(スーパーマルチコート)のレンズというだけあって逆光にも強い… と思ったら、実際にはかなり弱かったりします。レンズを見てみると青緑系の綺麗なコーティングがされていることが分かるのですが。そしてスライディングレンズシステムユニットはその特殊な構造故か周辺画質が悪いらしく、粗探しレベルで調べなくても普通に周辺がボケていたりすることに気が付いたりしてしまいます。そして新技術な為かこの時期では見られない3段式鏡筒だったりします。
 
イメージセンサーは当時としては一般的な400万画素 1/2.5型CCD 原色フィルター付きです。WBが不安定なのかよく色味は変になってしまいますが、別にアルゴリズムが悪くて何かしらずれているという訳ではない模様。まだ低ノイズ・高画質を謳うEXILIMエンジンは搭載されていません。何しろ初期なエクシリムなもので。
 

  
撮影状態時
こうやって見るとやはりスタイリッシュなデザインです。ジャンクボックスでもよく見かけますが、このデザインが当時ではうけてそれなりに売れたということなのでしょう。でもスライディングレンズシステムはやはり故障率が高いのかレンズがおかしくなっているEXILIMやOptioも割と見かけるのです。
 
 
  
CASIO ®   EX-Z4  MADE IN JAPAN
CASIO COMPUTER CO., LTD.
  
 
エクシリムシリーズでは珍しい日本製となっていました。後のエクシリムシリーズではほとんど存在しない高級機でも中国製なのでなんだか新鮮に感じます。専用クレードルが付属していたり、金属製三脚穴などただの薄いデジタルカメラというわけではないようです。
カシオデジカメが日本製ではなくなったというのはカシオ計算機のデジカメを製造していた愛知カシオをフレクストロニクス(コダックデジカメを買収したことでちょっと有名になったところ)に売却しているので、もしかしなくてもカシオデジカメはフレクストロニクスによるEMSなのでしょう。カシオデジカメは独自性で勝負していて丸ごとソックリさんというモデルがほとんど無いのでEMSの中でも自社設計委託製造のOEMだと思います。日本製というのは元愛知カシオでの製造ということで海外製の場合はフレクストロニクスの海外工場製ということと思われます。
カシオ計算機は光学系メーカーではないのに社名・銘柄表記が日本語ではないというのが地味に珍しい気がします。というより逆に日本語だったのが初期の東芝や松下電器産業、三洋電機やセイコーエプソンくらいでしたっけ。 
 
 


使用電池はリチウムイオン電池パックのCASIO EXILIM NP-20になりますが、電池がEXILIMブランドになる前のCASIO NP-20も使用できますが容量が若干少ないです。このNP-20はもともと左の旧デザインから始まって超薄型デジタルカメラであるEXILIM EX-S1に採用されるなど超薄型なのですが、大きさがそれなりにあるので容量は常識的な数値です。後のEXILIM ZOOMシリーズではタフで大きいNP-40が使われているのを見ると当時はまだNP-40のスペースを確保するだけの電子ユニットの小型化が出来なかったということでしょうか。
 
CASIO EXILIM  LITHIUM ION BATTERY  RECHARGEABLE
リチウムイオン電池 充電式
3.7V 700mAh  NP-20   Li-ion 
CASIO COMPUTER CO., LTD.  MADE IN CHINA

 
旧NP-20と比較するとデザインの大きな変更、EXILIMブランドとなって純正印のホログラムが付く、容量が70mAh増えて原産国が日本から中国に、リサイクルマーク(メビウスループマーク)の識別色が無くなるなどといった違いがあります。

 
画質は小センサー+特殊機構レンズだけあっていろいろ弱点はありますが、smc PENTAXレンズを名乗るだけあって周辺以外の画質は良好です。年式が古いだけあってノイジーな事も多くてAWBが変、晴天より曇天が得意?などといったことはありますが手軽なメモカメラとしては十分使える機種です。とはいえsmc PENTAXブランドといっても逆光に強いというわけではなく、むしろ時代相応に弱いのでブランドは気分の問題なのでしょう。
 
  
曇天+少し屋内で暗所がノイジーですが高画質カメラじゃないし… 
主被写体を中央に持って来れば非常にシャープに写ります
  
 
   
ノイジーですがいい感じです。AEはちょっとアンダー気味か。


午後7時程の夜景シーンでこれだけ撮れるというのはすごいとおもいます。なんていったって2003年のカメラですから。セルフノイズリダクションでもかければ良い感じになりそうです。
 
 
価格:500円
状態:故障なし 


 

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