かつて販売されていたオプティオシリーズとしてはフラグシップ扱いだったAシリーズの2代目であるPENTAX Optio A20です。このデジタルカメラはまだPENTAXがペンタックス株式会社だった時代のものですが、コンパクトカメラとしては唯一センサーシフト式SRが付いていたり、大型CCDセンサー搭載だったりと本気印の製品だったようです。
購入価格は840円
ジャンク扱いとはいえ1000万画素の手振れ補正付きデジカメでもこんな値段になってしまいました。
ある程度のグレードなだけあってか大きなOptioロゴは無く、普通に落ち着いた感じのデザインに仕上がっています。外装も金属製でいい感じです。
多くの機種に搭載されていたDigital SRこと電子式手振れ補正ではないためか赤色のSRのエンブレムが張り付けられています。富士フイルムのスーパーCCDハニカムエンブレムと同じようなものでしょうか。
PENTAX Optio A20 10 Megapixels SR
背面や操作系ボタンは他のペンタックス オプティオシリーズとそんなに変わらない感じです。オプティオシリーズ特徴のグリーンボタンも削除キーとの兼用ですがちゃんとあります。グリーンモードとはデジタルカメラ初心者のための機能操作制限付き自動モードなのですが、自動モードのAUTOPICTモードとの違いが分かりにくいという声もあったとのこと。リコーでいえばEASYモードのようなもので、カメラ操作に自信の無い方が設定するモードでしょうか。グリーンモード以外にもファンクションキーとしても設定でき、4つの設定項目を割り当てることができます。
再生ボタンは独立、モード切替は下ボタン、マクロやフラッシュとセルフタイマー設定は十字カーソルキーへの割り当てと後のオプティオシリーズと同じUIです。一応モードからT優先モードやA優先モードが選択できますが簡易的なものになるようです。
液晶モニターは当時ではすでに標準になりつつあった2.5型というサイズながらも画素数は約23.2万ドットという感じです。2.5型TFTカラーLCD(バックライト付)、微反射タイプ、約23.2万画素、視野率約100%、輝度調整2段階(エコモード、ノーマル)
モニターの色再現性はそれなりで、大きく嘘っぽくなっているということはなさそうでした。
天面
巨大なOptioロゴと各ボタンがあります。シャッターボタンと電源ボタンは天面にあるのが普通なのですが、このA20には何故か天面に手振れ補正プレビューボタンがあるのです。このプレビューボタンというのは押している間はフルタイム補正し続けるというもので、天面に配置するほどの使い道が思い浮かびません。手振れ補正モードのフルタイム補正と露光時補正の切り替えならば分かるのですが何故プレビューボタンを配置したのでしょうか。ひょっとしたら望遠時で構図決定時にフラフラ揺れないので使いやすくなるということはあるのかもしれませんが、それ目的だとしてもプレビューボタンを押し続けなければならないので不便です。センサーシフト式手振れ補正という特性上消費電力も大きくなって動作音も結構します。
それ以外には不思議に感じる場所はありません。AFが割と引っかかる感じでシャッタタイムラグが長いことが多いので押しやすいシャッターボタンは使いやすいです。
smc PENTAX LENS
7.9mm-23.7mm
同時のレンズスライディングシステム採用なsmc PENTAX LENSが搭載されています。旧レンズユニットは余った黒い部分に白文字で大きくsmc PENTAX ZOOM LENSと表記していたり、消えやすくて細い印字だったりしたのでこの金属製の枠にブランドが刻印されているユニットは非常に高級感があります。上部分が妙に空いているというのは相変らずでしたが。
レンズスライディングシステムによる影響なのかやはり中央部はしっかり解像していて周辺になるほど甘くなるという特性のようですが、研究が進んだのかかつての同ブランドのユニットよりはかなり改善されているようです。恐らくsmcではないもののコーティングもちゃんとされているのか逆光にもある程度耐えるようになりました。レンズ口径は小さいままなので気にする方もそれなりに居るかもしれませんが。
レンズユニット本体には記載がありませんが、スペックは光学3倍ズームのF2.8〜F5.4、7.9mm〜23.7mm(35mmフィルム換算38〜114mm相当)となります。明るさは広角側がそれなりに明るくて望遠側がそれなりに暗いというスペックでしょうか。
イメージセンサーはSRことShake Reduction(イメージセンサーシフト手振れ補正)機能付 1037万画素 原色フィルター/インターライントランスファー 1/1.8型CCDという感じです。ハイグレードなだけあって手振れ補正機能でCCDサイズも1/1.8型と大きくなっています。少し大きいセンサーということで1000万画素級と高画素ならがもダイナミックレンジが極端に狭いなどといった事はありません。発色もペンタックスでCCDっぽいコントラスト高め系のような。
撮影時状態
レンズユニットの鏡筒は3段式です。これだけ薄い本体に長いレンズユニットが収まっているのもレンズスライディングシステムによるものなのでしょう。
USB端子はそれなりに互換性のあるミツミ8ピンですがACアダプター端子は専用形状となっているので入手性が悪そうです。さすがにこの年代で5V センタープラスのアレを採用している機種は少なかったと思いますが、DCカプラー式ではなく専用形状のACアダプター式だったとは思いませんでした。
PENTAX Optio A20
PENTAX Corporation MADE IN PHILIPPINES
社名表記がまだペンタックス株式会社となっていることからHOYAに買収される前の製品であることが分かります。エントリークラスのオプティオシリーズとは異なってMADE IN CHINAやMADE IN INDONESIAではなくデジタル一眼レフや交換レンズ等と同じフィリピン製ということから珍しく自社製なのではと思われます。特にインドネシア製のオプティオはかなり三洋製っぽい感じだったので。
三脚穴は中央に配置されていて良いのですが、ボディが前面金属製のなか三脚穴はプラスチック製というのはチグハグした感じに見えます。そこまで気にするユーザーは少なかったのでしょうか。
電池はPENTAX D-LI8を使用します。形状としては有名な富士フイルムのNP-40等と同じなので、多くのコンパクトオプティオシリーズや一部のファンピクスシリーズとの互換性があります。このA20の後継シリーズであるOptio A40ではもともとは富士フイルム NP-50などと形状が同じ電池に変更される予定だったのが電池製造元である松下電池工業の工場火事によりお流れになってしまったとのこと。ということはペンタックス系のリチウムイオン電池パックのセル製造元は松下電池工業株式会社が多かったのでしょうか。NP-40系は登場したのが一昔ということもあって容量が控えめで、手振れ補正機能による消費電力の増大もあってこのAシリーズは電池が持たないと言われてしまっていたようです。実際にかなり早い感覚で電池のアイコンが減っていっているので消費電力は手振れ補正を使用すると大きいのでしょう。そしてA10/A20は電池パックを抑えるオレンジ色のツメが弱かったのも弱点とのこと。
撮影画像
シャープです
スーパーマクロ
CCDシフト式のシェイクリダクションによりある程度の手ブレは防げます
青空の色がスゲー
コダックブルーという感じではないですが深い青です
マクロ
PENTAX Optio A20 | |||||
メーカー | PENTAX | ||||
PENTAX Corp. | |||||
原産国 | ASSEMBLED IN PHHILPINE | ||||
発売 | 2006/09月 | ||||
メディア | SDHCカード、内蔵メモリー 22MB | ||||
センサー | 1037万画素 1/1.8型 原色フィルター インターライントランスファー CCD | ||||
レンズブランド | smc PENTAX LENS | ||||
レンズ構成 | 5群7枚(両面非球面レンズ2枚、片面非球面レンズ1枚) | ||||
画像エンジン | |||||
手ブレ補正 | SR(センサーシフト式)/Digital SR / Movie SR | ||||
光学ズーム | 3倍 | ||||
電池 | D-LI8 | ||||
モニター | 2.5型 23.3万画素 TFTカラー液晶 | ||||
ファインダー | |||||
バージョン | |||||
ボディ外装 | 金属 | ||||
価格 | オープン | ||||
その他 | インテリジェントズーム | ||||
ISO | オート(64-800) / 64-1600 | ||||
F値 | F2.8-F5.4 | ||||
圧縮率 | S.ファイン / ファイン / ノーマル | ||||
動画 | AVI 30fps (25fps) | ||||
MF | あり | ||||
GPS | |||||
タッチパネル | |||||
容量上限 | |||||
カラーモード | あり | ||||
ストロボ | 内蔵 | ||||
ドライブ | 単写/セルフタイマー/連写/リモコン |
価格:700円
状態:とりあえず故障なし 撮影可
長年にわたりOptioA20を愛用しています。気がついたら底部の小さなびすが一本ぬけおちていました。現時点でカメラの機能に支障は有りませんがこのビスが市販されているなら購入したいのですが、何処にお願いすれば入手可能ですか?
返信削除ありがとうございます
削除もう発売から14年経過し、メーカーサービスは既に終了していますので部品扱いで購入するのは難しいと思われます。確実なのはヤフオクや中古店などで同型機か同シリーズA10~A40を購入しネジを取る事かと。基本的にデジカメのネジは専用品で市販されているものではなかなか合致しませんので。