このようなデザインのステレオラジカセは1980年代の物と思われます。大きくて重くてCDは登場前の製造なので聴けない、乾電池でもどうさするが電池寿命は短いなど色々不便ではありましたが音質は良かったようです。この頃の同じような製品は松下電器産業もまだPanasonicブランドではなくNatinalブランドで販売していたりとかなり昔の物となっています。
NECは旧ロゴでテープ部の上にSTEREO RADIO CASETTE TAPE RECORDERの上にひっそりと配置型番はRMS-1150となっています。マイクもステレオ、テープカウンター付き、ラジオもステレオという事は当時ではかなり高かったはずではないのでしょうか。
裏面 電池蓋がかなりの面積を占めてしまっています。 ネジの数も結構多いうえにネジ穴が深いので長めのドライバーが無いとネジを外して分解することはできません。
NEC STEREO RADIO CASETTE TAPE RECORDER MODEL RMS-1150R
DC 9V (SUM-1×6) 定格電圧 AC 100V 定格周波数 50/60HZ
定格消費電力 12W 新日本電気株式会社
会社表示はNECブランドの白物黒物家電製品等を販売していた新日本電気株式会社となっています。新日本電気株式会社が日本電気ホームエレクトロニクス株式会社になったのが1980年頃なのでそれ以前か付近の製造と考えられるのではないのでしょうか。通常の家電製品ならば電源コードあたりから製造年月を予測できるのですが、このラジカセでは脱着可能なめがねケーブルが電源ケーブルとなっていて純正品は紛失したのか無いため、電源コードから製造年の予測ができませんでした。分解すれば部品や刻印から分かるかもしれませんが前述の通り分解は結構面倒そうなので…
新日本電気株式会社はエアコンや俗に「家電」と呼ばれるもの、照明器具などを販売していました。 ここに記載されている通り使用乾電池はSUM-1(=単1形)が6個で9Vなので乾電池で駆動するとものすごく重くなってしまいます。しかしこの製品がまだ現行だった当時では軽量なポータブルオーディオはほぼ無く、外出先やら自動車に積み込んで鳴らしていたとか。この手の商品のCMでよく背中に担いでビーチやら街中やらで演奏するというものを見かけるのですが、現在の感覚からするとがかなり無理があるような光景になりそうですね。
外部入力やマイク、ビートカットスイッチはここに集まっています。ライン入力はこの頃のラジカセに多いL音声とR音声を分けているタイプなので現在の3.5mmφステレオミニプラグの機器などを入力しようとしたらアダプターが必要で面倒ですが現在でもすべて入手可能ではあります。ミキシングマイクの端子もここにあります
外部スピーカ出力の端子はここにある 現在やちょっと前のCDラジカセっぽいプレーヤーの機器にありがちなターミナル形式やピンプラグではなく3.5mmφモノラルミニプラグというのが何ともやはり面倒ですがこれも現在でもすべて部品はそろいますので普通に使えるのです。本体に記載されていないので原産国は不明ですが、かつての家電製品は日本製の場合は製造国を表示しないという暗黙の了解だか業界通例のようなものがあったそうなので日本製なのではないのでしょうか。同時期でほぼ同じ機能を持つAIWAのステレオラジカセはシンガポール工場製でしたがアイワはコストパフォーマンスを求めていたことが多かったようなので海外工場製だったのでしょう。
巷では1980年代半ば~90年代前半に製造販売されたCDカセットラジオプレーヤー、所謂バブカセが人気のようですが、1980年代前半以前のこのようなステレオラジカセが注目されるというのはあまりないそうです。製造から30年から40年程経過し各内部部品やスピーカーユニットの劣化は避けられないですが修理さえすればデザイン等を逆手にとって屋外で見せびらかせばエモいかも…
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