2016年6月16日木曜日

TOSHIBA CUTEBEAT USB/SDオーディオプレーヤー TY-DP10  


 
かつて東芝が販売していた従来のラジカセ風デジタルオーディオプレーヤーです。東芝といっても従来のAurexブランドのように東芝本体の販売ではなくTOSHIBAブランドの音響機器やAV機器等を扱っている東芝エルイートレーディング株式会社の販売です。
現在でこそ当たり前な音楽データの再生機能ですがこのTY-DP10が発売された当時はまだポータブルオーディオメディアとしてMDが有力であり、どちらかというとDAPはまだ存在感が無かったような時代なのでこの製品は先進的だったのではないかと思われます。当時の実売価格は大体1万円程度のようです。
ややこしくなるためタイトルではTOSHIBAブランドということにしていますが、実際には東芝関連会社の商品にも関わらずTOSHIBAブランドは使用されていません。HITACHIブランドではない日立リビングサプライ製品やSANYOではない三洋電機製品など案外自社ブランドが付いていない製品は見かけるのですが。でも現在ラインナップされている東芝エルイートレーディング株式会社名義の東芝オーディオ製品は普通にTOSHIBAブランドなので当時のマーケティングだったのでしょう。

対応している音源はAM/FMラジオ、SD/USBメモリーに記録されたMP3/WMA、AUX入力となりますCDや当時ではまだ一般的なMDは搭載されていないためその分光学ユニットが無いのでかなりスッキリしたデザインとなっています。スピーカーは見ての通りフルレンジ2発ですが当時のゼネラルオーディオ機器はこんなものでしょう。

購入価格はドフのジャンクで1080円
ラジオ不可とコメント付きで動作確認してみると確かにFMラジオで同調すると極端に音が小さくなってしまいます。色々弄って気が付いたのですが、単純にチューナーの周波数が0.2MHzずれているだけみたいです。実際0.2MHzずれた周波数に合わせるとちゃんと同調してステレオ受信もできました。
デザインは前述の通り光学系ユニットがないため非常にスッキリしていますが下部SDカード/USBスロットや操作部が出っ張っているという形です。この部分が無いと不安定というわけでもないですがそこはオシャレなのでしょう。一応目覚まし時計のような機能もあるので表示部は結構大きい液晶パネルでブルーの光がバックライトで常時光っています。このバックライトは設定で切ることも可能です。
出っ張っている操作部には2つのダイヤルがあり、左側が音量で右側が選曲です。音量のダイヤルは押すことでプリセットイコライザの設定もすることができます。アラームボタンは2つあり2つのアラームが設定可能です。
使い辛い点というより操作感ですが赤色で一応目立つようになっているもののPOWERボタンが他のボタンと全く同じなので押し間違えてしまうことがあります。




裏面も一般的なラジカセとあまり変わらないように思いますが奥行きはそんなにありません。放熱穴も結構ありますがそんなに発熱しない感覚です。



USB/SDオーディオプレーヤー
TY-DP10(W)  PSE TAICHI.H
定格電圧 AC100V~  定格周波数 50/60Hz   定格消費電力 14W

東芝エルイートレーディング株式会社     2006年製
MADE IN CHINA  

東芝エルイートレーディング株式会社名義で2006年製と結構新しいです。
AUX端子と一緒にヘッドホン端子もなぜか背面に付いています。TV用ヘッドホンなどコードが長い事が完全前提なのでしょうか。このようなタイプの機器でAUX端子がRCAピン端子というのは結構珍しいと思うのですが。
PSEマークの認証略称記号から予想するに製造元はKOBANブランドでちょっとした各オーディオ機器のほかジェネリック家電系を販売している太知ホールディングスと思われます。東芝エルイートレーティングは基本的に商社で自社製造しているメーカーではありませんし。



こんな感じであまり奥行きがないことが分かります。電源コードは着脱・交換が出来ないタイプです。分解する際は底面の3つの滑り止めが邪魔になるのであらかじめ取っておく必要があります。





表示部の液晶パネルは情報表示量も結構多く、音楽再生時でも大きく時刻表示がされているのがポイントです。放置しておくと再生時間表示が横スクロールされてID3タグが表示されてきますが、昔のデジタルオーディオプレーヤーらしく日本語の表示には非対応なのが残念なところ。日本語の場合は文字化けしたシャープのようなものが表示されます。



バックアップ用として単3形電池を2本使用します。バックアップといっても電源コードを抜くと時計を忘れてしまうあたりバックアップされるのは主にラジオ関係のようです。本体そのものを電池駆動させることは出来ません。



内部
2つのフルレンジスピーカーが目立ちます。電源トランスやAUX/ヘッドホン端子、バックアップ電源はコードでメイン基盤に繋がれています。
チップにはSUMSUNGの文字がありましたがデジタルオーディオやメモリ関係でしょう。右下部がラジオ部でAMラジオのアンテナも見えます。

 

 
仕様されているスピーカーユニットはノンブランドの8Ω 8Wの物です。結構大きいものが搭載されており、音質も普通のラジカセ並と十分満足できるものです。プリセットイコライザを設定して自分好みの音質に設定することもできます。
公式ページのセールスポイントにも「大口径フルレンジスピーカー(77mmφ)搭載」と宣伝されていたりとある程度の音質は実現している模様。
 
豊かな音量と音域
大口径スピーカーと6種のイコライザー機能により、豊かな音量と音域が音楽をワンランク上の次元へ。 
豊かな音量と音域というのは一体何なんでしょうか。
 
 
他の主な機能としてUSB、SD間の相互ダビングが可能となっていますがラジオやAUX入力信号を炉録音することは出来ません。USBメモリーやSDカードの最大容量対応は256MBまでとなっていますが2GBの東芝SDカードも普通に使用できて読み込みが異常に遅くなる等のトラブルも起きませんでした。ビットレートはMP3で384kbpsまで、WMAで320kpbsまでとなります。
 
付属品としてUSB延長コードや3.5φ-PIN延長コードが付属しているので幅広い対応が可能です。
 
 
音質は大きいスピーカーユニットのおかげで普通に聴けるレベルですが左右の幅が少ないため分離感は感じられないかもしれません。低音が足りないと感じる場合はBASS機能を使うと良いでしょう。 
2GBのメモリーが使えたりと現在でも普通に使えるプレーヤーだと思います。 


東芝エルイートレーディング株式会社は上記の通り最近ではTOSHIBAロゴを付けてゼネラルオーディオ機器を販売していたりする会社ですが、今年2016年の3月にパナソニックのTechinicsなどと同じく古の自社オーディオブランドであるAurexを復活させ、Aurexがハイレゾ対応のCDデジタルプレーヤーを発売しています。日立リビングサプライが使っていたLo-Dは安いラジカセ等で細々と生き残っていましたが、十数年間音沙汰なしのAurexが復活するとは思いませんでした。
今月で大部分が売却される東芝ライフスタイルの映像等部門も切り離して残すみたいですし、興味が無さそうに見えたAV機器事業に東芝はまだかなりやる気があるのかも…  東芝エルイートレーディングも突然1万円クラスの高級イヤホンを発売したりとやる気マンマンだったみたいなので。
 

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