2016年8月4日木曜日

TOSHIBA デジタルカメラ Allegretto 2300





東芝がデジタルカメラを作っていたことが忘れられてかなり久しいですが東芝はCCDメーカーとして先進的に高画素カメラを売ったり、キヤノンレンズ搭載の画質もこだわったデジタルカメラ、オシャレ系のsoraシリーズなどを作っていたのですが儲からなかったのか内部事情なのか2003年10月の500万画素Allegretto 5300を最後に撤退してしまいます。2003年というのは一眼でぼちぼち4~500万画素に到達した頃でコンパクトデジタルカメラとしてはかなり先進的な数字だったはず。
soraシリーズはカメラよりもオシャレ道具としての1面が強く、フェースパッドを付け替えることによりデザインが変えられるなどこれまた独自性のあるものでした。ハーローキティなどともコレボしてキティちゃんフェースパッドなども発売されていますがこちらも終了となってしまいました。
しかし、その当時に終了したのはあくまでも「東芝のデジタルスチルカメラ」であり、デジタルビデオカメラであるgigashotシリーズは2008年頃まで販売されていたらしいのです。その後は東芝本体のカメラ事業はほぼ終わって東芝エルイートレーディングが2012年頃にデジタルビデオカメラを発売しています。この東芝エルイートレーディングというのは主に調達したAV機器などにTOSHIBAブランドを付けて売っている会社であり、位置としては日立リビングサプライに近いものと思われます。実際東芝エルイートレーティングのデジタルビデオカメラも1~2万円というトイカメラに分類されるかもしれない価格なので。

この機種というより東芝デジタルカメラはやたら各企業運営のレビューサイトがあっさりで情報が少ないですが東芝デジカメサイトは未だに閉鎖されずに残っているのでファームウェアアップデートやカタログダウンロードが出来るなど親切に思えますが肝心な取扱説明書ダウンロードが無い…
遂に消滅したので閲覧は不可となりました。

長い駄文ばかりになってしまいましたが、このAllegretto 2300は当時のエントリー機で東芝デジタルカメラとしては初めてSDカードを採用した機種とのことです。今までの東芝デジカメで採用されてきたスマートメディアは東芝提唱の規格ですがSDカードもサンディスク、松下電器産業、東芝の提唱と関わっていたりします。
画像の色合いでは全面金属製に見えるかもしれませんが実際はオールプラスチックで金属の部分が見えているところではネジとレンズしか無いという大変安っぽい外見と手触りですがこれは実売3万円というトイデジでもなく訳分からないメーカーでもない国内メーカーでの普通のデジカメとしては大変お安いものだったので仕方がないのでしょう。その割にはメディアスロットとバッテリーケースが分かれていたりします。

購入価格はジャンクで青カゴではなくガラスの向こうに並んでいて540円。
専用ポーチとストラップ付きでコメントが「撮影できました。」となっていましたが、年代が古いという理由のジャンクが大量に並んでいるのでそんなものでしょう。
TOSHIBAブランドのデジタルカメラは機種が少ない、年代が古いという事もあってかなり流通量が少ないのかジャンクでも初めて見ました。

東芝のデジカメはAllegrettoシリーズなのにそのロゴが無い機種が多いのも特徴。このPDR-2300(Allegretto 2300)にはどこにもロゴがありません。
2.0MEGA PIXELSの文字が誇らしい。センサーは自社製でしょう。

PDR-2300 DIGITAL STILL CAMERA





裏面
ここでやっとTOSHIBAロゴ登場で東芝のデジカメというのが分かります。液晶モニターが1.6インチと小さいためほぼ光学ファインダーでの撮影となるかもしれません。電源ボタンは不安なスライド式で上にスライドしてON/OFFにします。このスライド式は劣化が普通のスイッチより早いらしく、同社のデジタルオーディオプレーヤーであるgigabeatでは電源が入らない!とい声が多数です。自分の個体はセーフですが。

液晶モニターの小ささの為か光学ファインダーは意外としっかりしており視野調整が出来たりします。起動時は横についているランプがまずオレンジに点灯し、次に緑になったらレンズがせり出し始めます。このギミックは意図的な物なのかは知りませんが信号機やなにかしらの機械っぽくて好きです(自分が思いつくのはアーク溶接機の電撃防止装置のランプというのは…)

操作系は十字キーではなく上下右左と独立している。
中央のボタンはMENUではなく決定、ディスプレイボタンと結構変わっており慣れが必要だと思います。ズームボタンはシーソー式で一度フレキシブルのマイクロスイッチが故障しましたが補修して再度使えるようになりました。




昔のデジカメなのでモノクロ液晶パネル付きです。メインのカラー液晶モニターには撮影情報がほぼ表示されない仕様なので、このサブモニターで情報を確認してします。

なぜかMENUボタンもここにあります。モードダイヤルはマニュアル撮影→オート撮影→再生→動画撮影→設定の並びですがエントリー機らしくマニュアル/オート切替の為のダイヤルという感じでは無く完全に撮影/再生/設定専用なモードダイヤルです。マニュアルといっても露出補正やISO感度が自由にできるといった感じなのです。


Dsc00520_2



電源は単3形電池を4本使用します。
記録メディアはSDカード、画像のTOSHIBA 2GBでも普通に使用できて2GBのSDカードを使用した場合も16MBのSDカードを使用した場合と比べて処理速度が遅くなる等のトラブルはありませんでした。
電池は余裕のある4本タイプなためか画像のように旧世代ニッケル水素電池でも十分に持ちます。
そしてコストダウンのエントリー機にも関わらず電池端子が金メッキっぽい光沢とよく分からないです。



3X OPTICAL ZOOM
f=5.4-16.2mm 1:2.8-8.6 


レンズは無名の3倍ズームとなっています。
最初にある程度鏡筒がせり出してそれ以上はどんなにズームしても伸びないタイプです。インナーズームレンズという訳ではありませんが。
明るさは広角側はF:2.8とごく平均的なのですが、望遠側がカプセル型ファインピクスもビックリな驚異のF:8.6となっています。確かにかつてのフィルムコンパクトカメラではF値が二桁なレンズも多く存在していたかもしれませんが有名メーカーのデジタルカメラでここまで暗いのは稀です。レンズカバーが別付けでここもよく分かりません。
コーティングは紫の透明系な感じでしょうか。


Dsc00524

専用のカメラポーチが付属していました。
カメラ本体が巨大なだけにポーチもかなり大きくなっています。専用品なのか中央にTOSHIBAロゴがありますがそれ以外変わっているところは無いです。

下記の仕様まとめを書いている時に気が付いたのですが2002年9月下旬発売で2003年の1月には生産終了となっているらしいですが、ということはこれはDiMAGE S304のように入手困難な商品なのでは?


TOSHIBA Allegretto 2300 PDR-2300
メーカーTOSHIBA
TOSHIBA CORPORATION
原産国MADE IN CHINA
発売2002/9下旬
メディアSDカード/内蔵メモリー 7MB
センサー214万画素 1/2.7インチCCD 原色 インターレース正方画素
レンズブランド3X OPTICAL ZOOM
レンズ構成
画像エンジン
手ブレ補正
光学ズーム3倍
電池単3形電池 4本  DC 5V
モニター1.6型 TFTカラー液晶 6万画素
ファインダー光学 視野調整機能付き
バージョン
ボディ外装プラスチック
価格
その他

ISOAUTO / 100-400
F値F:2.8(W)-F:8.6(T)
圧縮率★★★/★★/★
動画320x240 QVGA
MF
GPS
タッチパネル
容量上限
カラーモードカラー / セピア / 白黒
ストロボ内蔵
ドライブ


発色はコッテリな気がしますが画素数が足らなくてPCモニターで見ると残念なことになる場合があります。ここまで独特だとキヤノンレンズ搭載モデルが気になってきました。




東芝は先日の不適切会計の損失のツケとしてイメージセンサー事業をソニーに売却してしましました。これで残りのコンデジセンサーの国内有名どころはパナのMOSとソニーの裏面CMOS、シグマのファビオン?富士フイルムのハニカムCCDシリーズの製造もしていたみたいですが、既にメインラインナップだった?Fシリーズが製造終了で、しかもF300以降はハニカムCCDではなく新EXR裏面照射CMOSと謳われていたのでソニー製になっていたのでしょう。

画像に写っているニッケル水素電池のTOSHIBA Ni-MH 2500も自己放電による過放電によってお亡くなりとなんだかという感じです。三洋 トワイセル2100の自己放電はすごかったですが.2500もそんな感じでしたっけ?それとも低自己放電機能付きニッケル水素電池に慣れすぎて感覚が鈍くなってしまったのでしょうか。お仲間である富士通ハイドロパワーや富士フイルムのmin.2300mAhニッケル水素電池も同じ状況です。
そしてこのデジタルカメラも妙にOEM感がすると感じていましたが、調べてみるとやはりOEM大手のPremierにて同デザイン・同スペックのデジタルカメラが存在していることが分かったのでOEM機種なのでしょう。初期の東芝デジタルカメラはまだイメージセンサーが完成していないだとかでシャープ製のCCDを積んでいる機種があったりとどれほどのやる気で取り組まれたかがイマイチ分からないところです。分解してみると液晶モニターが良く見るカシオ製のアレだったりと本当に東芝のデジカメは謎です。


価格:540円
状態:問題なし→後にズームボタン不調→補修





0 件のコメント:

コメントを投稿

お気軽にコメントをどうぞ