2016年8月6日土曜日

MITSUBISHI DIGITAL STILL CAMERA DJ-1000


デジカメの中でもかなり異質でレアモノな三菱電機のMITSUBISHIブランドなデジタルカメラです。何しろ三菱電機は業務用防犯カメラは作っていても一般向けのカメラは旧世紀のビデオカメラも含めてもほとんど作っていないのでMITSUBISHIのカメラというのはレアモノなのです。三菱電機は主な事業は重電部門で一般向け電化製品は現状ではやらなくても良いという状態なので自身のノウハウが無い分野や儲けの少ない部門を無理して参入したりし続ける必要はないのです。

このデジタルカメラは亜土電子工業との協業により三菱電機の設計・製造で販売されたデジタルカメラになります。販売価格は当時では破格の実売2万円という値段でした。この値段は通り超破格で同年のデジカメでソニー サイバーショットDSC-F2が7万5000円とその価格の安さが分かります。安さの理由としてはとにかく徹底されたコストダウンの結果で前身のプラスチック化、レンズは単焦点パンフォーカス、PC接続(シリアルバス)端子の省略、液晶モニターどころか撮影情報表示のモノクロ液晶モニターまで廃止というかなりの努力がなされています。
 
購入価格は110円
保存ファイルが独自RAW形式ということとその画素数や仕様から完全にコレクションですがさすがにレアモノでもデジカメに興味のある方はいないのかかなり安価でした。
 
このデジタルカメラは亜土電子工業のT-ZONEのみで販売されていたものなので個体数が少ないというのもレアモノの要因の1つにもなっています。三菱電機としても販売はされたみたいですが三菱電機の総合販売会社である三菱電機ライフネットワーク経由のみで販売されていて型番もDJ-1となり本体カラーも黒になっていました。

 
デザインはレンズ周りが盛り上がっていています。表面はパキパキのプラスチックですはがザラザラ処理されているので安っぽく感じません。
DS DIGITAL STILL CAMERA  DJ-1000  MITSUBISHI
DSというのはデジタルスチルの意味でしょうか。
  
 

背面液晶どころか一切のボタンが無いデザインはかなり衝撃的ではないのでしょうか。ボタンと液晶モニターが無いために一切の設定を行えず、設定等はすべて現像時にパソコンソフトで行うことになります。液晶モニターが一切ない為、状態確認は上部ファインダー横の2つのLEDランプでします。
 
MITSUBISHI
DIGITAL STILL CAMERA    MODEL DJ-1000
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION


ADO ELECTRIC INDUSTRIAL CO LTD.,   MADE IN JAPAN

そしてこんな安価なデジカメなのに日本製というのは三菱ということと時代が時代だからでしょうか。この時代はアップルが富士フイルムにデジカメの製造委託をするという時代だったので(この頃のアップルはジョブズ不在)。だからといってこのデジタルカメラがはたして三菱電機による製造なのかは不明なのですが。
上のLEDはBUSY/BATTとビジー状態とバッテリー警告、下のLEDはMEMORY(REMAIN)とメモリーの状態と撮影状態を表します。慣れるまで暗号みたいで中々難解…
そしてネジは2つのみというかなりの割り切りです。
  


上部にはスライド式の電源ボタンとシャッターボタンがあり、DJ-1000にはこの2つのボタンしかありません。パンフォーカスですが何故かシャッター半押しがあるのは中々謎ですが無いと違和感を感じるのであったほうがいいのかもしれません。電源ボタンはデジカメのスイッチという感じではなく何かラジオのような…
特質はかなり薄いということでこの薄さが現在でも十分通用します。そして当時は単焦点でも厚いどころかデカい、重いというのかデジカメの普通だったので安いという以外にも軽い、小さいという利点もありました。
  
 

電源は単4形電池を2本使用します。それにしても電池蓋が取り外されたり、ロット固有記号が電池ボックスに張り付けられていたりとポータブルラジオっぽいです。
記録メディアは内蔵メモリーやスマートメディア全盛期の中では異色なコンパクトフラッシュを採用しています。画像のマクセルコンパクトフラッシュは実際にこのDJ-1000に付属してきたもので容量は2MBしかありませんが25万画素という画素数では十分でしょう。
ちなみにメディアスロットの蓋も取り外せます。


MITSUBISHI DJ-1000
メーカー MITSUBISHI
MITSUBISHI ELECTRIC / ADO ELECTRIC INDUSTRIAL
発売 1997/08/07?
メディア コンパクトフラッシュ
センサー 25万画素 1/5インチCCD
レンズ パンフォーカス単焦点  (50cmまで)
モニター なし
電源 単4形電池×2
手ブレ補正
バージョンアップ
価格 19,800円(2MB CF、電池、アダプタ、カバー、ストラップ付属)
その他 Windows 95対応、T-ZONEモデル

コレクションにはこの上ないのですが個体数が少ないために出会える確率は非常に少ないかとおもいます。現在では純正現像ソフトの入手は絶望的ですが、ベクターに個人が作成した現像ソフト(ただしMS-DOS)がアップされているので試したいのですが64ビットでは動作せず…
一応撮影動作をするとコンパクトフラッシュ内に独自形式ファイルが生成されているので故障はしていないと思いますが、昔のデジカメならではの謎形式なのでソフトが動作しなければプレビューすらできません。当時のレビュー記事などに掲載されているサンプル画像を見てみるとやはり時代が時代だけあってビデオのキャプチャー感は否めませんが、それでもあれだけ安い価格で写るというのがすごかったようです。
 
価格  : 110円(コンパクトフラッシュ、ストラップ、電池付属)
故障度 : なし?




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