2016年8月23日火曜日

Kodak easyshare mini M200

 
コダック イージーシェアミニ M200は2011年4月にイーストマンコダックより発売されたデジタルスチルカメラです。国内では代理店である加賀ハイテックより発売されました。
2011年といえばコダックが経営破綻する直前な1年前ですが、自社製造は投げてしまったものの以外とデジカメに関しては元気だったようです。あまり売れ行きが好ましくなかった日本市場にも代理店を置いてある程度の機種を発売していたみたいですし。
そんなEasyshareシリーズのちょっと異色なモデルのEasyshare mini M200です。miniの名前の通り小さいことを重点に宣伝されましたが、その分一部では犠牲になったものがあるようで…
国内ではブランドがいまいちパッとしないKodakブランドということやフラグシップな高級機でもないことでコンデジの価格下落から逃れられず最期には1万円以下で販売されていたという悲しいものです。


   
Kodak easyshare mini 
こうやって見ると大きさが分からないので一見普通のコンパクトデジカメに見えます。実物は確かに小さいのですが、かつてのサイバーショットUシリーズだったり、その辺りのスパイカメラのようにビックリするほど小さいという訳ではなくある程度小さいという感じでしょうか。その大きさである程度の画質を確保し、光学ズームに動画やフラッシュ内蔵という点では単に小さいカメラと比べ物にならないのですが。
コダック自社製最後期のデジカメなのでKodakロゴはdが丸っぽいような現行ロゴになっています。一時期の三洋電機のXactiシリーズのように自撮り用ミラーが付いているので、自撮り時でモニターが背面にあってもある程度のフレーミングが可能です。



小さいカメラなのにそれなりの大きさと品質の液晶モニターと通常通りの操作系が付いているのはすごいのではないのでしょうか。
UIは最終世代のeasyshareシリーズとそんなに違いは無いのでコダックデジカメに使い慣れた方ならば迷う事は無さそうですが、今まで国内有名メーカーのデジカメを使ってきた方がこの機種を扱うと最初はあまり親切ではないUIに戸惑うかもしれません。iボタンが設定のショートカットキーだったり、決定ボタンが他社でいうディスプレイボタンだったりと不思議なUIですが慣れるとそれなりに扱えます。
easyshareシリーズの特徴であるShareボタンももちろん搭載されており、このボタンでShareメニューを呼びだすことによってtwitter等のSNSやYouTube等の動画サイトなどでの共有が行えます。一部機能はアメリカ専用のサイトサービスのようなので使えないのもありますけれども…

液晶モニターは2.5型 23万画素とサイズが大きいながらも妙に画素数が少ない物が使われていますが、機種のグレードや消費電力などいった点で考えると仕方のないことなのでしょう。再生ズームの場合2倍まではサムネイルを無理矢理拡大して表示するので汚いですがそれ以降は元画像を参照するようで待たされますがちゃんと綺麗に拡大されます。これもレスポンス改善の工夫なのでしょう。

天面
電源ボタンと同じ形状のボタンが並んでいるという不親切配置は相変らずのようで。ちなみに左が電源ボタンで右がモード選択ボタンとなります。しばらく使ってみてもやはりかなり押し間違えてしまいます…
シャッターボタンの半押しの感覚は悪くないです。
電源オン時は強制的にスマートキャプチャーモード(全自動)に戻されますが、それでもフラッシュの設定は覚えているので特別弊害はないでしょう。プログラムオートにするのに3タッチが必要なのは面倒ですが。逆にプログラムオートモードに自分好み用の撮影設定にして普段はスマートキャプチャーモードで撮影、ヴィヴィッドカラーにしたい場合はプログラムオートになどといった使い方も可能です。



KODAK AF 3X Optical Aspheric Lens
  29mm WIDE - 82mm (Equiv)


easyshareなコダックデジカメの中では一番グレードの低いコダックレンズですが非球面レンズ使用を名乗っています。旧コダックデジカメのレンズグレードはこのブログでも搭載機が度々出てきたシュナイダー クロイツナッハブランド、コダックレチナブランド、コダックレンズと続きます。コンパクトながらも29mmと少し広角なレンズでしかも3倍ズームですがその分小ささのしわ寄せか口径が小さく、広角側で派手に歪みます。むしろズームした方が解像しているような… 後述するセンサーと合わさって超高画質は無理かもしれませんが、プリントではちゃんと写っているというちょうど良い性能です。何故かF値が非公開ですがExif情報から読み取ると広角側がF3.3で望遠側はF5.9でしょう。

イメージセンサーは1/3.1型 1013万画素CCDとこの時代では珍しいかなり小さいCCDが使われています。1/3.1型といえばデジカメ初期だのビデオカメラ用だのという小ささになりますが、本当にその大きさなのか それとも大き目のセンサーのイメージサークル分を使っているのか分かりません。当時のコダックデジカメは他社開発で自社製のセンサーを使っているかも怪しいところですし。
画像処理エンジンはコダックデジカメではおなじみのKodakカラーサイエンスが使われています。よく言われるコダックカラーはCCDだけではくこの画像処理によるものも大きいらしく、Kodakカラーサイエンス搭載を謳っている機種では大抵の場合でコダックカラーが出せるのではないのでしょうか。



撮影時状態
レンズの繰り出し量はそれなりです



KODAK EASYSHARE MINI Camera M200
Made in China  KKC-REL-KKL-M200 

サイズの都合なのか銘柄には何故かイーストマンコダック株式会社と社名表記がありません。悲しい…
コンパクトサイズといってもちゃんと三脚穴は有り、しかも中央に配置されています。このくらいの軽量ならば本体端にあったも簡単に倒れたりはしなさそうですが。



側面には中国語での仕様書きが貼ってありました。これによると製造年は2011年、消費電力は1Aでなんと日本設計の中国製造となっています。すでに旧チノンだったコダックデジタルプロダクトセンターは売却されてフレクストロニクスデジタルデザインとなってその後もコダックデジカメを開発・製造していましたが、最後期まで長野にあるフレクストロニクスで開発・製造されていたのでしょうか。コダックのデジカメ部門(チノン)が売却されるまではチノンで開発して船井電機の上海工場で製造というほぼ日本企業製だった時代もありました。Digital science時代は本体が日本製でセンサーがコダック製という感じだったみたいですが。



電池はリチウムイオン電池 Kodak KLIC-7006を使用します。海外メーカーのリチウムイオン電池パックだけあってさぞ入手しにくい電池かと思ったら実際は富士フイルムのNP-45やオリンパスのLI-42Bなどといった電池と同じ形状なので同形状互換品の入手は非常に簡単です。しかもサードパーティ互換電池で有名なロワからこのコダックの純正KLIC-7006が何故か安価で販売されたことまであります。そのロワによるとセルの製造元はBYDだとか。
記録メディアはSDHCカードとなります。超高画素撮影をしたり、高画質動画が撮れたりするわけではないので大容量メモリーカードはそんなに使わない気もしますが、対応していて悪いことはありません。UHS-1クラスの高速SDカードも使えますし。そしてコダックならではの親切機能としてSDカードを挿入した際に内蔵メモリー内に画像があるとSDカードに移動するか?と聞かれ決定を押すと自動的に内蔵メモリー内の画像をSDカードに移してくれるという便利なものがあります。

ファームウェアのバージョンアップがされていますが、現在では日本のコダック系サイト(コダック アラリス)ではダウンロードできないのでアメリカのコダックQ&Aサイトでダウンロードする必要があります。会社規模がかなり違うので突然消滅は考えにくいのですが、GeneralImaging(GEデジカメ)のようにある程度ファームウェア等のサポートを公開して突然サイトが消滅という事もあるのでダウンロードは早めの方が良さそうです。もちろんですが現在のコダックデジカメなPIXPROのJK Imagingやその代理店のマスプロ電工では自社時代のコダックデジカメのサポートはされていません。逆に国内の自社時代コダックデジカメの修理を請け負っているエスワークスではPIXPROシリーズの修理・サポートは出来ないという状況なので、一般の感覚ではかなりややこしい状態です。

画質は極小センサーや小さいレンズの弊害か細かい部分を見るとノイズが乗っていたり、ノッペリになっていたりしますがそれでも普通に綺麗な画像が撮れます。もともと高画質を求めるのが無理なクラスなのでこれくらい写れば十分なのです。コダックカラーは楽しめますがコダックブルーはあまり出ません。

  
ヴィヴィッドカラーで
どーせ木の葉っぱは塗りつぶしなんでしょ と思ったら意外と解像してるのです
 
  
これも同じく
 

いいですね

これってあまりない望遠側が性能の良いレンズなのですかね。画像処理も関係していると思いますが、広角が割と無茶な写りをしていることが多いのに対しある程度ズームすると結構解像している画像が多いような。
 
 

Kodak easyshare mini M200
メーカーKodak
Eastman Kodak
原産国MADE IN CHINA 日本設計
発売2011/04/01
メディアSDHCカード、内蔵メモリー32MB(使用可能 16MB)         
センサー1013万画素 1/3.1型 CCD
レンズブランドKODAK AF 3X Optical Aspheric Lens
レンズ構成
画像エンジンKodakカラーサイエンス
手ブレ補正電子式
光学ズーム3倍
電池KLIC-7006
モニター23万画素 2.5型液晶
ファインダー
バージョンアップデート有
ボディ外装プラスチック
価格オープン
その他

ISOオート/100-1000
F値F:3.3-F:5.9 ?
圧縮率指定不可
動画VGA 最大 2GB
MF
GPS
タッチパネル
容量上限32GB
カラーモードヴィヴィッドカラー/ベーシックカラー/白黒/セピア
ストロボ内蔵
ドライブスマートキャプチャー/P/動画


撮影画像 Kodak Easyshare mini M200
 
価格:100円 電池付き
状態:撮影可 日付リセット
 
 

 


2 件のコメント:

  1. こんにちは。2019年に新品をアメリカから購入しました。
    パノラマについてわかったことを報告させていただきます。Z915,Z950,Z1275 のパノラマ機能が好みなのでこのM200にも同じ機能があるということで購入しました。日本製コンデジやスマホだとパノラマは短冊の画像の張り合わせや、2−3画面の張り合わせで、Kodak EasyShareも2-3画面の張り合わせですが、Kodakの特徴は張り合わせ付近にけっこうな画像処理をして物体をを歪ませたりして繋ぐ事です。おかげで室内の比較的近いテーブルのふちとか窓枠なんかもある程度ぴったり線がつながります(失敗も多いですが)。Pentax等の単純に画をつなげるだけのパノラマではまず物体がつながらずづれます。また、これが今のPICPROだとできあがったパノラマは画像サイズが小さくなったしまう機種がほとんどだと思うのですが、EasyShareは画像は2−3枚分に近い大きなサイズになり気に入っています。M200のパノラマでの欠点はパノラマの場合に暗部を持ち上げるPERFECT TOUCHテクノロジー処理ができないことです。Zシリーズの915,950は可能ですが、この機能は明暗差の大きな画面になりがちなパノラマではあってほしかったと思います。
    先日液晶を割ってしまいましたが ebayで中国に送料込み1300円でパーツを注文できました。

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    1. 遅くなりました
      自社コダックのデジタルカメラはカメラ本体での画像処理が上手い印象でした。ソニーなど一部以外のメーカーはそれほどパノラマをアピールしていなかったので仕方ない事もありそうですがオマケ以上には使えないメーカーが多かった印象です。
      ebayにはまだ部品があるのですね。現状のコダック自社デジカメは公式ページも一部除いて消失し、サポートも無いようなものとなってしまっているので何時まで使えるかという感じでした。

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