三洋電機がこれまでの高速、高画質動画、手軽さから方向性を変えて高画質を狙って発売したデジカメである三洋電機 DSC-AZ1です。種類的にはDSC-MZ1などと同じと思われますが、DSC-MZシリーズが今までのMulti-zシリーズの特徴を受け継いだのに対し、AZシリーズは高画素や他社ブランドレンズ搭載など高画質を狙ったハイエンド機種となっています。
発売は2001年11月と随分初期の頃なのに400万画素を達成しているのですね。後述する画素補間の800万画素なんてプロ用レベルの画素数だったのではないのでしょうか。発売定価も9万9800円と完全にハイエンド価格となっています。
購入価格は某ドフで540円
AZシリーズというより三洋デジカメがレア物状態で、特にAZシリーズはほとんど売れなかったのか中古でも全く見かけなかったのでジャンクカゴに転がっていたのは驚きです。
デザインはまんまDSC-MZ1の色違いという感じで、AZ1の方のカラーは若干ガンメタ気味となっています。SANYOロゴがゴールドカラーというのは普段SANYOブランドをアピールしない傾向のある三洋電機製品にしては珍しいです。
SANYO OPTICAL 2.8X ZOOM LCD DIGITAL CAMERA DSC-AZ1
4.0 MEGA PIXEL
ボディ印字では400万画素と記載されてますが、ピクトライズ画素補間により800万画素相当での出力も可能です。レンズ・光学ファインダーカバーは電動スライド式で撮影設定で電源を入れると自動的に開いてレンズが出てきます。レンズカバーやボディが金属製というのは定価が10万円近いハイエンド機種ならではでしょう。
背面
やはりこちら側のデザインもDSC-MZ1やMZ2とほとんど変わりません。特徴的なジョグダイヤルがあるのも同じです。今までは背面にmulti-zロゴがありましたが、これらの機種は特にシリーズ名が無いのでメーカーロゴのSANYOロゴがあります。
モニターは約11万画素1.8型低温ポリシリコンTFTカラー液晶と時代なりのものが使われています。自社製の液晶なのかは不明ですが質は悪くないモニターのようです。
操作系UIは旧マルチーズシリーズ後期のものを受け継いだものでDSC-MZ1とほとんど同じですが、ジョグダイヤルを仮想モードダイヤルに見立てて設定する項目などAZ1にしかないものも多くあります。AZ3/MZ3になるとジョグダイヤルは廃止されてUIも変更されているのでAZ1独特の操作系なのですかね。変わりずらいのが画素数指定で最も大きな数字を選んでしまうと画素補間モードになってしまいます。また、この頃の三洋系デジカメはアフタービューの項目が無くアフタービューできないと思われがちですが実際には撮影した際にシャッターボタンを押したままにするとビュー可能です。
CANON ZOOM LENS
AUTO FOCUS f=7.25~20.3mm
三洋電機のデジカメですがCANONブランドのズームレンズが搭載されています。羽絞りによる数段階の絞りなど本格的なレンズユニットですが、仕様も見た目も同じなレンズがOLYMPUS LENSとしてCAMEDIA C-40Zに搭載されているのでよく分かりません。別メーカーブランドのレンズについては三洋電機の場合、光学部に自社では何のブランドも無いので屈曲光学レンズの場合はコニカミノルタ製であることをアピールするなど積極的にしていたようです。
イメージセンサーは413万画素 1/1.8型CCD 補色フィルターが搭載されていますが有効画素数は395万画素と4メガピクセルではありません。同じセンサーを使ったっぽい機種としてミノルタ DiMAGE F100やオリンパス CAMEDIA C-4040Zが考えられます。大型CCDですが時代先取り高画素なためか結構ノイズの乗る画作りですが画像処理エンジンによるものも大きいのかもしれません。
画像処理エンジンはSuper Graphic Processorが搭載されています。低速シャッター時のノイズリダクションや各処理による鮮やかな発色など高画質とされています。
撮影時状態
こうやってみると案外バランスの良いデザインなのかもしれません。ブランド違いのCANON ZOOM LENSも大げさな程目立っているという訳ではないですし渋い感じです。
記録メディアはコンパクトフラッシュ Type:I IIとコンパクトフラッシュのほか大容量のマイクロドライブも使用可能です。この辺の仕様はベースっぽいDSC-MZ1と同じなのでしょう。
SANYO デジタルカメラ DSC-AZ1 型
三洋電機株式会社 MADE IN JAPAN
三洋電機のデジカメなので底面の銘柄表示は日本語なのです。本体表記名義は三洋電機株式会社名義、日本製となっています。この後のXactiシリーズでは自社工場のあるインドネシア製やベトナム製に切り替わっていったのでまだ定価が高かった時代だからこそ日本製が可能だったのでしょう。
三脚穴は黒色に塗装された金属製で中央に配置されているので良さそうです。
電源は単3形電池を2本使用します。とにかく持たないと評判だった電池持ちのシリーズですが現代の高性能ニッケル水素電池を使用する事によりかなり改善すると思われます。
この電池ボックスの大きな逆転として固定用ツメが非常に華奢というのがあり、この個体も購入時は無事だったのが衝撃緩衝ケースに入れたまま落としたらツメが折れてしまいました。そのままではテープを入れて使うしかないので自力で電池ボックス付近の樹脂部分に精密ドリルで穴をあけてツメを自作して修理して使っています。
画質は大型センサーにキヤノンレンズと贅沢仕様なので割と良いのですが、年代故にノイズが目立ったり発色が変だったりすることもあります。ピクトライズモードにすると風景などではノイズが更に目立つことが多いので文章やノイズが目立ちにくい・気が付かない被写体などでピクトライズモードは使うべきなのでしょう。他には暗所では色が出なくなってしまう事が多い癖が気になりました。
手ブレせず綺麗に撮れました
写りはかなりシャープで雰囲気も出てます
地震・噴火前の阿蘇のメイン街道
曇天で条件悪めなので派手な発色というわけではありませんが結構きれいに撮れてます
緑の淡い発色は補色フィルターによるものなのですかね
郡部でも進む信号機のLED化
むしろ政令指令都市郊外よりもこういう地方のメインストリートの方がLED化しているような…
元日昼前に撮影
やっぱりシャープで良く撮れるのはキヤノンレンズによるものなのでしょう。ただし条件が良くないと色が綺麗に出ません。
SANYO DSC-AZ1 | |||||
メーカー | SANYO | ||||
三洋電機株式会社 | |||||
原産国 | MADE IN JAPAN | ||||
発売 | 2001/11月中頃 | ||||
メディア | コンパクトフラッシュ Type:I/II | ||||
センサー | 413万画素 1/1.8型CCD 補色フィルター | ||||
レンズブランド | CANON ZOOM LENS | ||||
レンズ構成 | 5群7枚 非球面レンズ含む | ||||
画像エンジン | Super Graphic Processor | ||||
手ブレ補正 | |||||
光学ズーム | 2.8倍 | ||||
電池 | 単3形電池 2本 | ||||
モニター | 1.8型 11万画素低温ポリシリコンTFTカラー液晶 | ||||
ファインダー | 光学 | ||||
バージョン | |||||
ボディ外装 | 金属 | ||||
価格 | 99,800円 | ||||
その他 | |||||
ISO | AUTO / 100-400 | ||||
F値 | F:2.8(W)-F:4.8(T) | ||||
圧縮率 | SFINE /FINE /NORM | ||||
動画 | |||||
MF | |||||
GPS | |||||
タッチパネル | |||||
容量上限 | |||||
カラーモード | カラー /BW | ||||
ストロボ | 内蔵 | ||||
ドライブ |
状態:ツメ破損→修理
価格:540円
試し撮り画像はコチラ ↓
撮影画像 SANYO DSC-AZ1 その1
はじめまして。
返信削除僕も電池蓋の爪(受け側)が折れてしまったのでピンバイスで穴を開け、そこにコの字に曲げたピアノ線を接着剤とともに差し込み、代用して使っていました。
この機種についてのレビューはネット上でほとんど見受けられないため、嬉しい気持ちで拝読しました。
はじめまして
削除DSC-MZ1やMZ2等もツメ折れが多いようなので同様の方法で固定するか、諦めて電池交換後にテープで貼るかなどされているようです。
全体的に数が少ない三洋デジカメネタですがこの機種やAZ3は特に見られないですね。コメント頂きありがとうございました。